ウクライナの友よ! われわれはあなた方と共にあります

ウクライナからのメッセージ

ウクライナのアドラー心理学団体、ウクライナ個人心理学協会(Ukrainian Association of Individual Psychology)代表ゾリャーナ・コシュリンスカ氏から、世界のアドレリアンへ向けてメッセージと寄付の呼びかけが届いています。

2021年の国際アドラー心理学会はオンラインでしたが、新型コロナウィルスの蔓延がなければウクライナのリビィウで対面開催されるはずでした。ウクライナのさまざまな地名がニュースで流れるたびに心が痛んでなりません。
以下にメッセージの日本語訳と原文、ならびに私どもからの返信をご紹介いたします。

《日本語訳》
アドレリアンコミュニティの皆さまへ

はじめに私たちの国の状況への、皆さまの姿勢と支持に感謝いたします。これまでの、ロシアの犯罪的軍事行動の結果として、人々の生命が失われ、家々が、学校が、病院が破壊されるという壊滅的な大惨事に私たちは直面しています。
にもかかわらず、私たちの魂はかつてないほど強まって、国全体が力を合わせて活動しています。どうかぜひ、今日の私たちの国の現実を表すのにふさわしい形で、積極的にあなたの姿勢を表明して、それを広め、伝えていくことで、私たちの活動を推し進めてください! 私たちは、私たちのような専門家の共同体が、様々な価値観や意見を調和させ人々を結びつける強い力を持っていて、それ故に、責任をもって私たちのメッセージを可能なかぎり広めてくださると信じています!
今日、ロシアは私たちの人間性を、私たちの平和と平穏を脅かしています。私達はウクライナについてだけ語っているのではありません、これは世界全体の出来事なのです。

国際アドラー心理学連合ウクライナ個人心理学協会
会長 ゾリャーナ・コシュリンスカ

《英文》
March 1, 2022

Dear Adlerian community

First of all, we would like to thank you for your position and support regarding the situation in our country. To date, as a result of Russia’s criminal military actions, we have faced catastrophic disasters – human losses, destroyed homes, schools, hospitals.
Despite this, our spirit is stronger than ever, the whole country is working together. We urge you to promote this by actively expressing your position, disseminating it and communicating it in an adequate form that will reflect the reality of our country today! We believe that professional communities like ours have a strong power to unite people according to their values ​​and views, so we see a responsibility to make our messages heard as widely as possible!
Today, Russia has threatened our humanity, our peace and tranquility, and we are talking not only about Ukraine, but about the world as a whole.

Zoryana Koshulynska, president of Ukrainian Association
Individual Psychology (UAIP)


私たちからは、次のようにお返事いたしました。

《日本語訳》
私たちは、ウクライナにいるあなたやあなたの家族、ご友人の安全を心から心配しています。
現在のロシアの軍事行動は、100年前にアドラーが対峙した人類の過ちをそのまま繰り返しているように思います。人間性を否定し、世界を暴力で支配しようとする恐ろしい行為です。そのような過ちへのアドラーの回答が、第一次世界大戦直後に書かれた論文「共産主義と心理学」で提唱された共同体感覚です。ゾリャーナ氏の言われるように、「様々な価値観や意見を調和させ人々を結びつける強い力」こそが、「壊滅的な大惨事」から人々を救うものだと考えます。
AIJは、戦地におられるすべての人々の安全を祈り、武力でもって問題を解決しようとするロシアの姿勢に強い遺憾の意を表明します。
アドレリアンはウクライナの人々と共にあります。

令和4年3月2日
一般財団法人野田俊作顕彰財団 Adler Institute Japan
理事
野田文子 大竹優子 中井亜由美

《英文》
March 2, 2022

Dear Zoryana Koshulynska, President of UAIP

We are truly concerned for the safety of you, your family, and friends in Ukraine.
Russia’s current military actions are repeating the same mistakes of mankind that Adler confronted 100 years ago. It is a terrible act of denying humanity and attempting to dominate the world with violence. Adler’s answer to such mistakes is “Gemeinshaftsgefühl” advocated in his article “Borshewisms und Seelenkunde” written just after World War I. As mentioned in your message, “a strong power to unite people according to their values a​nd views” is what will save people from “catastrophic disasters.”
Adler Institute Japan prays for the safety of all those in the war and expresses its strong regret at Russia’s attempt to solve the problem by force.
We, Adlerians, stand with the people of Ukraine.
Solidarity for Ukraine!

Ayako Noda
Yuko Otake
Ayumi Nakai
Directors of Adler Institute Japan

ウクライナからの続報

Ukrainian Association of Individual Psychology (UAIP)からの続報が届いています。

《日本語訳》
アドレリアンのみなさまへ

私たちの国のこの恐るべき状況への、みなさまの姿勢と支持に感謝いたします。さらに積極的に、みなさまが姿勢を表明し、発信し、お伝えくださるよう切にお願いいたします。

私たちがいま直面しているのは、壊滅的な天災でしょうか。人の命が失われ、家も、学校も、病院も破壊されました。しかしこれは、自然がもたらした災害ではありません。洪水でも、ハリケーンでも、地震でもないのです。これはロシアという、一国家による戦争なのであって、その軍事力と宣伝能力のすべてが、他国である私たちウクライナに対して振る舞われているのです。私たちは毎日、プロパガンダの嘘の洪水、ミサイルと銃弾のハリケーン、そして憎しみという地震に曝されています。人災の最たるものの戦争をくい止めてくれる、土嚢も擁壁もありません。地下室に座ってやり過ごすことさえできないのです。

にもかかわらず、私たちの魂は、かつてないほど強まっています! ひとりひとりのウクライナ人の中で、祖先の血が熱く燃え上がっているのです。子どもたちの涙を思うなら、私たちは祖国を解放するまで決して休みません。

ロシアとの関係を続けていく、国際的なあるいはヨーロッパの組織があろうとは思いません。日々、刻一刻と、国際社会はロシアのその筋の人々との関係を断ち切っています。戦争に沈黙を守ることは、戦争への加担なのです。

この戦争は、ウクライナ一国の戦争ではありません。どうか孤立主義に屈しないでください。どうか無関心に立ち向かってください。選挙で選ばれた議員と連絡を取り、こどもたちを殺す、あるいは殺すことを認める国家の、その筋の組織や人物たちとの関係を見直して、あらゆる手段を用いて、どうか世界が戦争という巨悪と戦うことへの支援を続けてください。

あなたの力が必要なのです! 私たちの未来の平和はみなさんにかかっています! この星が次の一日を迎えるために、私たちはみな相互に依存しているのです。

UAIP理事会
ua-ip.com

《英文》
2022.3.13 Letter to Adlerian organisations
Dear Adlerian community,

We want to thank you for your position and support regarding the terrible situation in our country. We urge you to promote this by actively expressing your position, disseminating it, and communicating it.

Today, we face catastrophic disasters ? human losses, destroyed homes, schools, and hospitals. The disaster is not natural – not a flood, a hurricane, or an earthquake. This is a war that one nation, Russia, with all its military and propaganda might, wages against another nation, our Ukraine. We are facing a flood of daily propaganda lies, a hurricane of missiles and bullets, and an earthquake of hatred. There are no sandbags or retaining walls to stop the war, a greatest man-made disaster. One can’t sit it out in a basement too.

Despite this, our spirit is stronger than ever! The blood of our ancestors is boiling in each Ukrainian. The tears of our children would never let us rest until we free our land.

We do not know of any international or European organization that would continue relations with the Russians. Every day, hour and minute, the international community breaks off relations with professional Russian communities. By staying silent about the war, they are complicit in it.

This war is not a Ukrainian war. Please do not succumb to isolationism. Please confront indifference. Please find ways to continue helping the world to fight the evil of war by contacting your elected officials, by revisiting your relationships with professional organizations and individuals in the countries that kill or allow others to kill our children, by any other means.

We need you! Our peaceful future depends on you! We all depend on each other to see another day on this planet.

UAIP Presidium
https://ua-ip.com/


AIJからのご返信として、次のようにお伝えいたしました。

《日本語版》
新しいメッセージを拝読しました。みなさまのおかれているさらにシリアスな状況に心からお見舞い申し上げます。

日本では、メディアの伝えるトップニュースは常にウクライナ情勢です。東京都庁や多数の歴史的建造物などが、ウクライナカラーのライトアップを行なっています。日本は先の敗戦のため不戦条約の役割を持つ憲法のもとにありますが、政府はウクライナについては前例を破り、自衛隊機によって防弾チョッキ、ヘルメット、防寒服、天幕、カメラ、衛生資材、非常用糧食、発電機などの資材を隣国ポーランドに空輸しました。東京のロシア大使館近くでは、ロシアの侵略に反対しウクライナを支援する大規模デモが行われました。各地でさまざまな団体がウクライナのための募金を行なっています。

私たちの組織は大変に小規模で出来ることが限られていますが、みなが募金をしたいと考えています。そこで、UAIPホームページに掲載されている募金口座、在日ウクライナ大使館とUNHCRの募金口座と、皆さまからのメッセージの和訳を私たちのホームページのトップに掲載させていただきました。

逆境の中で、勇気をもって人生に立ち向かっておられるみなさまに心からの敬意を表します。AIJはいつもウクライナを応援しています。

《英文》
March 16, 2022

We have read the new message from you. We would like to express our deepest sympathies for the even more serious situation you are in.

In Japan, the top news in the media is always the situation in Ukraine. The Tokyo Metropolitan Government and many other historical buildings are lit up in Ukrainian colors.
Japanese constitution has a non-war treaty because of the previous defeat, but Japanese government made an exception for Ukraine by sending Self-Defense Forces cargo aircraft with materials, such as bulletproof vests, helmets, winter clothes, tents, cameras, sanitary materials, combat rations, generators, etc., to neighboring Poland.

A large demonstration was held near the Russian Embassy in Tokyo in support of Ukraine against Russian aggression. Various organizations in various locations are raising funds for Ukraine.

Our organization is very small, so what we can do is limited, but each one of us is eager to donate. So we have posted the donation accounts which you have mentioned, and of the Embassy of Ukraine in Japan and UNHCR, along with Japanese translations of your messages on the top of our website.

We sincerely respect your courage to face life tasks in the time of adversities.
We, Adler Institute Japan, is always supporting Ukraine.

Ayako Noda
Yuko Otake
Ayumi Nakai
Directors of Adler Institute Japan


寄付のご案内

UAIPホームページに掲載されている募金口座の和訳(抄)

1.UAIPの非営利基金への寄付
寄付金はマリーナ・ブルブシュタイン博士がGoFundMeで集め、博士が直接私たち(UAIP)に送金してくださいます。
(AIJ備考:GoFundMeは米国の代表的な寄付金のためのクラウドファンディングです)
2.Humanitarian Nova poshtaを経由する方法
Nova poshtaはウクライナで最大の民間郵便サービスです。
(AIJ備考:支援物資の輸送についてのご案内です)

また、寄付については在日ウクライナ大使館はツイッター公式アカウントで次のように呼びかけています。

在日ウクライナ大使館
@UKRinJPN
ウクライナを応援したい方々用に、寄付金を送金できる銀口口座の詳細を更新いたします。以下になります。
三菱UFJ 銀行
広尾支店 047
普通
口座番号0972597

エンバシーオブウクライナご応援、どうもありがとうございます。

他にも国連UNHCR協会が募金ページを始めるなど支援の輪が拡がっています。