AIJのアドラー心理学講座は、長年の実績を誇るアドラー心理学教育のスタンダードです。
アドラー心理学の根幹であり治療上の目標を示すアルフレッド・アドラーの思想・哲学と、実生活や臨床場面でアドラー心理学を実践するにあたってその根拠となる心理学理論、さらにそこで実際に用いられる数々の心理学技法を、全国各地での対面授業で教えています。私たちは、世にあまたある「アドラー心理学」と称する様々な見解や技法の用い方に関しては、心理学におけるアドラー派固有の臨床姿勢と理論的枠組み内に位置するかその外であるかを見極め、教育内容について妥協をせずに臨んでいます。
カリキュラムは全くの初学者の方でも気軽にご受講いただける入門用の講座から、有資格者向けの高度なものまできめ細かに網羅しており、それぞれの内容は、故・野田俊作が1984年に設立したアドラーギルド社で野田自ら提供していた最も伝統ある講座を正規に受け継いだ、学術的にも実践的にも信頼に足りるものとなっています。講師はアルフレッド・アドラー以来、師弟関係により代々継承されてきたアドラー心理学指導者、または指導者の指名したAIJ認定有資格者が教えます。
各講座の詳細(開催日時、場所、参加費など)は準備ができ次第、順次発表しております。最新情報につきましてはフロントページまたは「講座・行事一覧」のページをご確認ください。
AIJアドラー心理学基礎講座 (理論編、応用編)
AIJが日本のアドラー心理学教育に携わったのは、その前身組織『アドラーギルド』も含めると、実に40年以上にも及びます。日本でアドラー心理学は戦前から書籍等を通じて散発的に紹介されてきましたが、欧米で実際に学ばれている内容を講座や教育コースとして本格的に日本で教え始めたのは、『アドラーギルド』が初めてです。以来、著名な方を含む専門家の皆さんや、アドラー心理学を普段から実践して暮らしておられる『アドレリアン』の皆さんを、何世代にもわたって輩出してきました。そうした多くの先輩方が、アドラー心理学学習のスタートラインとして学んでこられた講座が、このアドラー心理学基礎講座です。
本講座は、アドラー心理学の基礎と、日常生活への応用について深く学ぶ、講義を中心とした講座です。人間の行動や精神活動についてのアドラー心理学独特の考え方(理論体系:理論・思想・技法)に加え、専門的な用語・概念、そしてそれらの日常生活への応用の仕方を、表面的な部分にとどまらずしっかり踏み込んで学びます。
講義内容は、野田俊作が師であるB・シャルマンなどから受け継いだアルフレッド・アドラーの教えを基本に、アドラーの直弟子であるR・ジッヒャーやR・ドライカース、アンスバッハー夫妻らの重要な研究成果を織り込んでおり、学術的に極めて正確です。また、永年にわたる教育実績を反映し、日本の文化風土に適した実践的で学びやすいものとなっています。 この講座の受講を通して、皆さまのアドラー心理学理解を是非確かなものにしていただければと思っております。
講座には理論編と応用編の2種類があり、それぞれ1日6時間、全4日間(計24時間)というカリキュラムとなっています。 これは、仮に大学の講義時間に換算したとすると、それぞれが1単位に該当するボリュームです。どちらを先に受講されても差し支えありませんが、応用編の方が演習が多いため初学者の方には学びやすいかもしれません。
応用編では、アドラー心理学をどのような場面でどのように使うのか、「勇気づけ」「ライフスタイル」「共同体感覚」「組織とルール」の4つのテーマからとらえ、ひとつずつ丁寧に学んでいきます。豊富な実習を通じて、具体的な日常のシチュエーションのなかで、どのように使うのかを丁寧にトレーニングします。極めて実践に即した内容であるため、講座を終えてすぐに、実際の生活場面で応用し活かすことが可能です。家族、職場、学校の仲間といった、最も身近でこじれやすい対人関係のトラブルを解決に導くことができます。また、人生全般に関する様々な悩みや問題に対しても、それを紐解き、前へ進むための確かな指針として役立ちます。
《 応用編 プログラム 》
1日目 「勇気づけ」
2日目 「ライフスタイル」
3日目 「共同体感覚」
4日目 「組織とルール」
理論編では、アドラー心理学の核心となる考え方、すなわち基礎理論(5つの基本前提)、ライフスタイル、共同体感覚などを網羅的に学びます。野田俊作は40年前、シカゴのアルフレッド・アドラー研究所で、H・モザクからこのアドラー心理学基礎講座理論編を学びました。以来、野田はその内容を一切損なうことなく日本の学習者に自ら教え続け、現代の心理学と哲学の成果を踏まえて説明のしかたを再構成し、現行の講座に至りました。野田はこの講座について、「いろんな形でアドラー心理学を実践してきた人たちが、アドラー心理学の根本哲学をまとめなおすために受けられるのが、いちばんいい。」と述べています。
《 理論編 プログラム 》
1日目 アドラー心理学の歴史、科学としての心理学、個人の主体性、目的論、全体論
2日目 社会統合論、仮想論
3日目 ライフスタイルの概念、ライフスタイルの発達
4日目 価値の心理学
どちらの講座も、野田俊作の著述したテキストにそって、講義を中心に、なおかつディスカッションと実習を織り交ぜ、質疑応答の時間もたっぷりとって行われます。講師は野田の元で研鑽を積み、野田が後世の教育を委ねたAIJアドラー心理学指導者が担当します。
さてアドラー心理学は、私たちの人間理解の根本や人生全般の指針となり得るもので、その技法も大変強力ですから、学ぶにあたっては偏りや誤解がないよう注意しなくてはなりません。しかしアドラー心理学は、フロイト精神分析のアンチテーゼとして生まれた経緯があります。ご存知のとおりフロイトは心理学に対してだけでなく、他の学問分野や私たちの常識全般に強く影響を与えてきました。したがって、それらを前提に暮らしてきた私たちが新たにアドラー心理学を学ぶ際は、頻繁にすんなりとは受け入れにくい概念やポイントに出会うこととなります。つまりアドラー心理学は独学では分かりにくかったり、誤解しやすい心理学でもあるのです。
その点、アドラー以来の教えを師弟関係を通じて代々直接継承してきた講師が皆さんとお会いし、基礎から丁寧にお伝えする本講座の受講は、アドラー心理学を学ばれる上で一番確実な道といえるでしょう。アドラー心理学がまったく初めての方も、安心して学んでいただけます。また、AIJの育児学習コース『パセージ』修了後に、もう少し深く学んでみたいと思われる方、断片的な知識ではなくて本格的にアドラー心理学の体系を学びたい方にも、この基礎講座はおすすめです。また、AIJ認定資格を持っている方にとっては、復習やブラッシュアップに最適です。
(「AIJアドラー心理学基礎講座」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定のAIJアドラー心理学基礎講座
- AIJアドラー心理学基礎講座応用編:札幌(北海道) on 2026年11月21日
AIJアドラー心理学特殊講義と演習
「アドラー心理学特殊講義と演習」は、アドラー心理学のトピックごとに講義と実習で学び込み、理論・思想・実践(技法)それぞれの面での理解を深めて、それらを確実に身につけることを目的とした講座です。「アドラー心理学基礎講座」が、アドラー心理学全体を見渡すことのできる《普通講義》だとすると、あるトピックをとりあげて詳しく解説するのが《特殊講義》であり、それについて具体的な実践を考えるのが《演習》という位置づけとなっています。
そのため、本講座は科目ごとに難易度が異なります。詳しくは各講座のご案内をご確認ください。
現在は以下の「特殊講義と演習」講座を開催しています。すべて、野田俊作の著わしたテキストを使って行われます。各講座は連続2日間で、原則として1日目が講義、2日目が演習、1日6時間(2日で12時間)のプログラムとなっています。
(「特殊講義と演習」の各講座は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
AIJアドラー心理学特殊講義と演習「勇気づけ」
アドラーブームで有名になった「勇気づけ」という言葉ですが、実は、アドラー心理学でいう「勇気づけ」は、一般的に使われる意味での「勇気づけること」とは少し違った、独特の意味合いを含んでいます。実はこの違いにこそアドラー心理学の本領がある、といっても過言ではありません。
そもそもアドラーのいう「勇気」とは、簡単にいえば(詳しくは講座で学んでください)社会の一員として人々と協力しあいながら生きる「勇気」のことを指していて、それが欠けていれば、どれだけ「元気」であろうと、その人は「勇気」をくじかれていると考えます。このような違いがありますから、「勇気づける」という言葉の意味もまた、自ずと異なってきます。たとえば「勇気づけ」とは、何か特定の声がけを意味するわけではありません。褒めることが「勇気づけ」ではないのです。当講座では、この独特な意味合いの「勇気づけ」について、それはどのようなことなのか、そしてそのような「勇気づけ」を行うために、どのようなことを実践したらよいのかについて、じっくりと学びます。
この「勇気づけ」は、アドラー心理学に初めてふれる方も受講していただけます。ぜひ多くの方に、アドラー心理学でいう「勇気づけ」を学んでいただきたいと思います。
AIJアドラー心理学特殊講義と演習「葛藤解決」
アドラー心理学で「葛藤」というと、個人の内面でのいわゆる「葛藤」ではなく、他者との「葛藤」、つまり対人関係上のこじれを意味します。「葛藤」が個人の内側にではなく、人と人の間にある、こう聞かれただけで驚かれた人がおられたのではないでしょうか。一般には、自分の中のある部分が別の部分と衝突し、その結果として他者に対する態度や行動にも支障が出てトラブルになる、というのが「葛藤」のイメージだと思います。しかし、アドラー心理学は全体論的であり、社会統合論的であり、目的論的であり、個人の主体性を考えますから、そうした受け止め方にはなりません。
そのような「葛藤」ですが、アドラー心理学ではこの「葛藤」の延長上に子どもの非行や神経症、精神病症状などが現われ、さらには大人同士の歪んだ関係や、様々な暴力、果ては国家間の諍いに至るまで、同じ構造が発展して起こると考えます。そして、それらの「葛藤」の中で、適切な知識と実践によって比較的扱いやすいのが「権力争い」、平たくいえばケンカの解決です。本講座は「権力争い」の構造や病理、その解決法、予防について学ぶ、極めて実践的な内容になっています。
対人関係のこじれである「葛藤」を解決できるようになるメリットは、受講するあなた個人の心の平穏や、身近な「家庭」や「職場」の人間関係が良好に導かれることにとどまりません。上で述べた通り、世界に蔓延している暴力的な衝突も、個人的な諍いと基本的には同じ構造であり、したがってこの講座で学ぶ「葛藤」を紐解く知恵は、社会や「人類」といった規模でも幅広く役立ちます。
なお本講座は、《普通講義》である「基礎講座」のどちらかを修了しているなど、アドラー心理学の知識をある程度理解できている方の受講を想定しています。
AIJアドラー心理学特殊講義と演習「よい人間関係」
アドラー心理学の性格理論の核心である「ライフスタイル論」を、現代の心理学・哲学の潮流(構造主義など)の視点から捉え直した最新の理論と思想を、野田俊作著のテキストを用いて学びます。
野田がシカゴで教わったアドラー心理学は、当時主流だった認知主義的な立場のものでした。しかしその後の心理学の潮流は、構造主義、ポスト構造主義、社会構築主義を経て変化していきました。野田はそうした流れのなかで、アドラー心理学を構造主義的な立場で捉えなおす、という取り組みを行いました。その成果がこの「よい人間関係」にあらわれています。内容としては、幼少期の記憶である「早期回想」を「ナラティブ(物語)」の文脈で深く読み解きます。1日目の講義で理論を深め、2日目の演習で具体的に体験しながら、自分の生き方の意味を再発見し、これからの人生を幸福に生きていくための「物語」を描き出す技法を身につけます。また、人を単純なパターンで捉えるのではなく、生きる「物語」として理解する構造主義的な視点が身につくため、自分自身や身近な人との関係性をより深く、温かいものへとアップデートできます。
この科目は、野田が作成した最後の「特殊講義と演習」です。ですが、野田自身はここが着地点とは全く考えていなかったことでしょう。むしろこの科目は、これからの人類に対してアドラー心理学は、そして他ならぬ私たち自身には何ができるかを考えるための、俯瞰的な視野を育成する出発点になっているようにも思えます。
本講座は、《普通講義》である「基礎講座」のどちらかを修了しているなど、アドラー心理学の知識をある程度理解できている方の受講を想定しています。「特殊講義と演習」の中では難しい部類に入るかもしれませんが、基礎講座を修了したばかりの方でも興味を持ってご参加いただける内容です。
AIJアドラー心理学特殊講義と演習「育児のアルゴリズム」
「愛情不足の親なんて、ほとんどいないと思う。でも技術不足の親ならいくらでもいるよ」と野田は言っていました。アドラー心理学では、育児には「愛」とともに「技術」が必要不可欠であると考えます。本講座では親の愛情を前提とした上で、講義と実習を通して育児に必要な実践的技術を、理論から技法まで総合的に学び込みます。
『パセージ』や『パセージ・プラス』では、アドラー心理学の育児をAからZまで丁寧に学ぶことができますが、そこでは具体的事例に即して考えていきますので、アドラー心理学の全体像がつかみにくいかもしれません。「育児のアルゴリズム」では、アドラー心理学の育児が目指している「共同体感覚(仲間とともに生きていく感覚)」の育成を、手順を示したフローチャート式のアルゴリズム(解法手順)で俯瞰しながら構造的に学びます。育児の全体像と具体的な手順を把握できるため、目の前のお子さんの行動に対して「今、親としてどう関わるべきか」を、現場で迷わずに判断・実践できるようになります。
また、単なる座学にとどまらず、2日目の演習や豊富な具体的事例を通じて、互いを尊重し「ベタベタしすぎずクールでありながら、深い愛で結ばれた協力的な家族」のあり方を体験的に理解し、身につけていきます。
講座で扱う対人アプローチや協力関係を築く技術は、育児の場面にとどまりません。パートナーシップや職場の人間関係など、あらゆる対人関係をより良好で対等なものへ改善する大きなヒントが得られます。人間の成長プロセスや、対人支援の臨床技術を構造的に理解できる内容となっており、今後アドラー心理学のカウンセリングを学びたい方や実践者にとっても、見立てや支援の力を高める確かな土台となります。
本講座は、育児をトピックとしてとりあげて詳しく学びますので、すでに『パセージ』は受講済みであることを想定しています。できれば『パセージ・プラス』も受講済みであるほうが望ましいです。基礎講座は未受講でも差し支えありません。また本講座は講義と演習を同時に行いますので、できれば2日連続でご参加いただくことをお勧めいたします。
現在開催予定のAIJアドラー心理学特殊講義と演習
- 特殊講義と演習「勇気づけ」:東京(東京都) on 2026年11月28日
- 特殊講義と演習「よい人間関係」:倉敷(岡山県) on 2026年12月12日
ワークショップ

一般に、講座の中でも参加者が体験して学ぶ形式のものをワークショップ(ワーク)といいます。
アドラー心理学を学ぶにあたっては、単に知識を得るだけではなく、体験を通して学んだ知識を腑に落とすことが理解の近道となります。そこでAIJの講座はほとんどが、知識を学ぶための座学と、得た知識をどのように使うのかを体験できるワークの組み合わせになっています。例えば「特殊講義と演習」は、講座とワーク(「演習」)がほぼ半々に組み合わさったものです。そうした中で、特にワークが主となる講座を「ワークショップ」(または「ワーク」)と呼んでいます。
現在、ワーク主体の講座としては心理劇ワークショップ「かささぎ座」、「特殊診断質問」ワーク、などがありますが、今後も様々なワークショップ(ワーク)をご紹介して行く予定です。初学者の方も参加しやすいものが多いです。
特殊診断質問ワーク
アドラー心理学では、私たちがふだん何気なくとっている行動や発している言葉にも、その人独特の理由やパターンがある、と考えます。そうした個人独特の行動や考え方のパターンを、「ライフスタイル」と呼びます。家庭や職場などの日常で私たちが出会う様々なエピソードには、この「ライフスタイル」が関係しているのです。
「特殊診断質問」とは、「ライフスタイル」を見つけるための特別な質問です。今回のワークでは、いくつかの特殊な質問について自分の考えを楽しくお話しながら、知らず知らずのうちに使っている自分のパターンをさがしていきます。そうして自分のパターンを知ることは、周りの人たちとよりいっそうよい人間関係をつくっていくためのヒントになりますし、『パセージ』や基礎講座などで学んだ事を実践する時の大きな助けにもなると思います。
(「特殊診断質問ワーク」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定の特殊診断質問ワーク
- 特殊診断質問ワーク:京都(京都府) on 2026年9月26日
- 特殊診断質問ワーク:福岡(福岡県) on 2026年11月7日
心理劇ワークショップ「かささぎ座」
アドラー心理学をベースにした心理劇(サイコドラマ)のワークショップです。
心理劇はヤーコブ・モレノが開発した治療技法ですが、アドラーの弟子R・ドライカースとモレノが友人だったこともあって、アドラー心理学は早い時期から心理劇を治療技法に取り入れてきました。野田もシカゴ留学中に心理劇を学び、その後日本でもワークショップを行いました。晩年には「エピソード分析」と絡めた心理劇を展開し、そのことでアドラー心理学の理論と思想に沿った解決を導き出す心理劇セッションが可能になりました。
「かささぎ座」というユニークな名称は、シカゴからの帰国後立ち上げたアドラーギルド初期の合宿研修施設を野田が『かささぎ荘』と呼んでいたことにちなんでいます。初回の心理劇ワークショップは、スタッフにも何をするのか知らされないまま合宿研修で行われたという、野田らしい逸話が語り草になっています。第2回目の心理劇ワークショップの案内を出すにあたって「このワークショップを劇団のように命名しよう」と、野田自身が「かささぎ座」に決めたということです。
原則として合宿で、2~3日の連続講座として行われます。涙あり笑いありの楽しいワークショップで、アドラー心理学初心者でも参加できます。さらに、パセージ・リーダーやカウンセラー、心理療法士を目指す方々にとっても、大きな学びを得られる研修会です。
(「かささぎ座」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定の心理劇ワークショップ「かささぎ座」
メルヘン・セラピー
「メルヘン・セラピー」は、1920年代ウィーンの実験学校で行われた、アドラー心理学を学校教育に応用する試みに原型があります。野田俊作は、それを受け継いだドイツのヘルムート・ホイシェンから基本的なやり方を学びました。野田はそこへいくらか工夫を加え、3日間のワークショップにまとめあげたのです。
参加者には3日間かけて、ひとりひとつずつ「メルヘン」を書いていただきます。野田によると、「メルヘン」とはドイツ語の語源に遡ると Maer + chen で、「ちょっとした嘘話」という感じの言葉だそうです。ワークでは、その「嘘話」としての「メルヘン」の型にはめて、物語を創作します。その過程で自らのライフスタイルと向き合い、思いもよらない大きな変容が起こる、不思議なワークです。
参加資格は、有資格者およびそれに準ずると講師が判断した方々のみとさせていただき、 少人数で基本的に合宿にて開催します。物語が好きで文章を書くことに興味のある方は、とても楽しんでいただけるワークだと思います。
(「メルヘン・セラピー」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定の「メルヘン・セラピー」
カウンセリング
オープン・カウンセリング

開業医をしていたころのアドラーの診療所では、診察室での会話が待合室にも筒抜けだったと言われています。待合室の人々は、アドラーと患者の会話を自分の身に置き換えて聴くうちに、それが治療につながることが多かったということです。
こうしたアドラー以来の伝統として、多くのアドラー心理学の講師たちは、クライアントと1対1の個室でだけではなく、人々が集うオープンな場でのカウンセリングを行ってきました。「オープン・カウンセリング」におけるクライアントは、カウンセリングからはもちろんですが、その場のやりとりを他人事でないと感じながら見守り続ける見学者の様子から、大いに勇気づけられます。さらに見学者自身も、自分の人生に向かおうとするクライアントの勇気ある姿から、多くの学びが得られます。そこではまさに、アドラー心理学による治療の根本をなす、相互尊敬と相互信頼に基づく相談的人間関係が実現されているのです。
野田俊作も、たびたび「オープン・カウンセリング」を行ってきました。アドラー派独特のこのカウンセリングをAIJから再び皆さまにお届けできることを、私たちは大変嬉しく思っております。
「オープン・カウンセリング」では、会場全体でつくる相談的人間関係を大切にするため、ご見学いただけるのはAIJの各種講座または『パセージ』『パセージ・プラス』を受講された方、あるいはそれらの方から直接紹介された方に限らせていただきます。
また、クライエントとしてのご参加は、地域の自助グループに参加されている方で、AIJの「オープン・カウンセリング」を見学された方、またはエピソード分析が開発された2011年以降の野田俊作の「オープン・カウンセリング」を見学された方に限らせていただきます。ご希望の方は、まずは地域の自助グループまでご相談ください。なおご相談内容によっては、他の講座の受講をお勧めするなど、「オープン・カウンセリング」では対応いたしかねる場合があります。あらかじめご了承をお願いいたします。
(「オープン・カウンセリング」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定のオープン・カウンセリング
養成講座・専門家向け

事例検討会
野田の生前、新大阪のアドラーギルドの研修室では、毎週金曜日の夜に「事例検討会」が行われていました。基礎講座を修了した人たちが、事例を持ち寄って集り、智恵を寄せ合ってアドラー心理学的な解決を模索する自助グループのような形でした。野田は「先生」というよりもむしろ「リーダー」としてこの会に参加していましたが、時にカウンセラーや心理療法士の事例スーパーバイズをすることもありました。
2024年からこの金曜事例検討会を、各地での週末のアドラー心理学行事の前日、金曜日の夜に開催しています。中井や大竹がリーダー役をつとめます。ご自身のエピソードや現場の事例を持ち寄り、参加者全員で智恵を寄せ合いながら、人間の行動の目的や背景を紐解くアドラー心理学的な解決・見立ての方法を深く学びます。ご自身が日常や現場で抱える具体的なエピソードや相談事例を直接扱えるため、アドラー心理学を実際の生活や人間関係の中でどのように応用すべきかが明確になります。また、対等な自助グループの形式を基本としながらも、ご希望に応じてカウンセラーや心理療法士を対象とした本格的な「事例スーパーバイズ(専門的アドバイス・指導)」も行います。参加資格は基礎講座理論編または応用編を修了していることです。
行事開催地・近隣地域にお住まいのみなさま、ご自身のエピソードや事例などをお持ちになって、ぜひご参加ください。新大阪時代から続く温かい伝統の中で互いに刺激し合いながら、日々の実践に向けた確かな「勇気」を持ち帰ることができます。
(「事例検討会」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定の事例検討会
AIJアドラー心理学練成講座
AIJの認定資格を持っている方のブラッシュアップのための講座で、おおよそ年に1回、連続2~3日間の日程で行われます。原則として合宿形式(新型コロナ感染症対策のため、現在は通い形式)の講習会で、全日程通し参加で完成するプログラムを組みます。
基礎的な理論解説は行わず、すでにアドラー心理学を理解している方を対象に、アドラー心理学を「わかる」段階から「できる」段階へとさらに踏み込めるよう「実習中心」の内容となっています。日々のアドラー心理学の実践を振り返り、自らの見立てやカウンセリングの精度をさらに研鑽・向上させる絶好の機会になります。また、「エピソード分析」によるカウンセリングや、早期回想、家族布置を使ったカウンセリング(心理療法)の技術、相手の目的を洞察する「ゲッシング」など、毎回異なるテーマに集中して取り組むため、参加するたびに新しい実践的アプローチを習得できます。
これから「パセージ・リーダー養成講座」や「カウンセラー養成講座」の受講を控えている方々にとっても、必要な実践知を事前に蓄え、理解を確実にするための優れた勉強の機会となります。
(「AIJアドラー心理学練成講座」の「講座と資格認定に関する規約」における分類はその年度の講座内容により異なりますので、開催される講座の個別のご案内をご確認ください)。
現在開催予定のAIJアドラー心理学練成講座
パセージ・リーダー養成講座
育児学習プログラム『パセージ』のリーダー資格を取得するための講座です。3日間の連続講座です。この講座最終日の実習試験に合格し、さらに実際のコースにおけるサブリーダー研修で合格するとパセージ・リーダーに認定され、ご自身で『パセージ』コースを開催することができるようになります。
受講条件は、
- 『パセージ』コースを受講したことがあること。
- 『パセージ』修了後も実践を続け、効果を体験していること。
- ご自身が受講(修了)した『パセージ』コースのリーダーからの推薦があること。
- 講座担当指導者の承認
です。必須ではありませんが、『パセージ・プラス』の受講経験があることが望ましいです。
現在この講座は年に1回開催しています。
(「パセージ・リーダー養成講座」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に該当します)。
現在開催予定のパセージ・リーダー養成講座
パセージ・リーダー会、パセージプラス・リーダー会
『パセージ』とその上級編『パセージ・プラス』各リーダーのための、実習中心の学習会です。『パセージ』や『パセージ・プラス』のコースをスムーズに進行させるためのコツや、受講者の理解を促す効果的な「質問の立て方」など、実際の場ですぐに使える技術を学びます。また、コース中やフォロー会で実際に直面した事例、疑問点、悩みについての相談や質疑応答を通じ、現場に即した対応力を養います。
当講座の受講により、コース進行中の「これでいいのかな?」という迷いや疑問がクリアになり、参加者を適切に勇気づけサポートする援助力を高めることができます。また、パセージ・リーダーやパセージプラス・リーダーが仲間として集い、現場の課題や疑問を共に考えることで、刺激を受け合いながら成長できる環境が得られます。
(「パセージ・リーダー会」は「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座C」に、「パセージプラス・リーダー会」は「講座B」に該当します)。
現在開催予定のパセージ・リーダー会、パセージプラス・リーダー会
AIJカウンセリング講座
実習を中心に、アドラー心理学カウンセリングを学びます。「エピソード分析」を基本としますが、単なる分析手順の習得にとどまらず、カウンセラーとクライエントの対話を通して、アドラー心理学的な問題解決とはどのようなものか、それはどのようにクライエントとカウンセラーの間で作り上げられていくのかなどを、実習体験や見取り稽古から学んでいただけます。実際のカウンセラー養成講座と同様の形式で1対1の実習を行い、指導者から直接コメントや助言を受けられるほか、毎回好評の質疑応答の時間で疑問を解消します。また参加される方の希望や関心に合わせて、より具体的な心理療法の実習や事例検討を実施し、一人ひとりの課題に沿った学習機会を提供します。
当講座の受講で、本や講座で得た知識としての「知っている」段階から、実際のカウンセリングや援助の現場で活かせる「実感として深く理解できている」段階へと着実にスキルアップできます。また、クライアントに一方的にアドバイスをするのではなく、クライエントと信頼関係を築きながら共に問題解決に向かう、対話的で本質的な援助技法が身につきます。
AIJ認定カウンセラー資格をお持ちの方、AIJカウンセラー養成講座受講を検討されている方、『パセージ』や『パセージ・プラス』のリーダーで、よりアドラー心理学的な援助ができるようになりたい方がたに最適です。
(「AIJカウンセリング講座」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座B」に該当します)。
現在開催予定のAIJカウンセリング講座
- AIJカウンセリング講座:一宮(愛知県) on 2026年11月15日
AIJカウンセラー養成講座
アドラー心理学のカウンセラーの養成講座です。講座初日にアドラー心理学カウンセリングについての講義をしますが、そのほかはすべて実習になります。アドラー心理学の知識と技術を総動員しながら、クライアントの具体的な出来事を素材とした「エピソード分析」を用い、アドラー心理学的な「競合から協力へ」の問題解決像を、実習を通して身につけていただきます。
実習試験に合格すると、アドラー心理学カウンセリングを習得したことを証明する「AIJ認定カウンセラー」の資格が取得できます。実習試験の合格基準は、おおむね30分から50分で「エピソード分析」を用いたアドラー心理学カウンセリングを行うこと、です。
この講座を受けた方の多くは、日頃の相談業務において、クライアントと対等で協力的な関係を構築しながら、本質的な課題解決へと導くアドラー心理学カウンセラーとしての高い実践力を身につけられるとともに、アドラー心理学そのものやご自身のライフスタイルに関して、今後の人生の宝となるほどの大きな発見と学びを得ておられます。
受講条件は、
- 野田俊作あるいはAIJ指導者によるアドラー心理学基礎講座理論編・応用編を全日修了していること
- 日常生活でアドラー心理学が実践できていること
- 相談業務についていること
- 講座担当指導者の承認
です。
この講座では「エピソード分析」を用いたカウンセリング実習をしますので、『パセージ・プラス』を受けておられることが望ましいです。また、AIJカウンセリング講座を何度か受講しておくことをおすすめします。AIJカウンセラー養成講座は見学が可能ですので、受講を検討している方は講座の見学をされるのもよいと思います。
(「AIJカウンセラー養成講座」は、受講・見学ともに「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座B」に該当します)。
現在開催予定のAIJカウンセラー養成講座
AIJアドラー心理学秘訣講座
野田俊作が、アドラー心理学供給側の最上級の講座として設定したものです。カウンセリング、心理療法、心理劇など、アドラー心理学のプロバイダーとしての個別実習と個別指導を行う講座です。
現在は準備中です。
AIJ心理療法士養成講座
アルフレッド・アドラーの時代には「カウンセリング」という概念がまだありませんでした。相談や治療に訪れた人たちに対してアドラーは、それぞれのライフスタイルを推測しながら、その人のライフスタイルの成長につながるような解決案を提示していました。
その後ドライカースが「カウンセリング」の概念をアドラー心理学の相談の枠組みの中に取り入れ、ライフスタイル分析のような古典的で大がかりな治療はだんだんと行われなくなりました。ですが、ライフスタイル分析がアドラー心理学の心理療法であり治療の真髄であることに変わりはありません。勇気づけに満ちたライフスタイル分析セッションやライフスタイルに関わるカウンセリングは、アドラー派セラピストにとって必須といえるでしょう。
心理療法のトレーニングに関してはおひとりおひとりで学習の進み方や勉強すべきポイント、指導法がまったく異なります。また、これまで心理療法士を目指す方は極めて少数でした。そのため、野田も心理療法士養成講座としてまとめたかたちで時間を設定することは行っておりませんでした。しかし近年、「エピソード分析」の開発のおかげでカウンセラーの技量がいちじるしく上がり、心理療法に関心を持ち心理療法士を目指す方が増えてきたように思われます。そこで、今回試験的に「心理療法士養成講座」を開催することにいたしました。
講座の内容は主に、AIJ認定心理療法士試験の項目である「早期回想や家族布置を使った、ライフスタイルに関わるカウンセリング」の実習です。心理療法士試験の受験資格のある方は、この機会に試験を受けていただくことも可能です。
今回の講座では心理療法に関わる実習が中心となりますので、参加資格を厳密に絞らせていただきます。今回の本講座受講資格と、心理療法士試験の受験資格は、以下に記します。受講を希望される方は、まずはメールにてご相談ください。また、参加希望者多数の場合は指導者による選考の上決定させていただくことをご了承ください。
心理療法士を目指す方々におかれましては、どうぞ奮ってご参加ください。
【受講資格】
- AIJ認定カウンセラーであること
- 心理療法士を目指していること
- ケーススーパーヴィジョンを積極的に受けていること。ケースの中にカウンセリング講座などでのカウンセラー役としての実習も含める。また、この中にライフスタイル分析のケースが含まれていることが望ましい。
- 実習ケースだけでなく、実地でのカウンセリングケースやライフスタイル分析ケースを持っていることが望ましい
ご自身の受講資格について、ご不明な点があれば指導者までご相談ください。
【心理療法士受験資格】
- AIJ認定カウンセラー
- ケーススーパーヴィジョンを20例以上受けていること。その中に実地のライフスタイル分析ケース複数例が含まれていること。
- 指導者の許可を得ていること
なお、過去に野田俊作先生から受験許可を得ておられる方は、すでに上記を満たしているとみなし受験可とします。
【心理療法士試験内容】
- 早期回想または家族布置を使った、ライフスタイルに関わる約50分間のカウンセリング
- 上記に合格後ただちに、アドラー心理学の理論に関する約20分間の講義
(「AIJ心理療法士養成講座」は、「講座と資格認定に関する規約」での分類「講座A」に該当します)。
現在開催予定のAIJ心理療法士養成講座
備考:「講座と資格認定に関する規約」に基づく各講座の分類は次の通りです。
講座A. 『エピソード分析』の実習及び『ライフスタイル分析』に関連する実習を含むアドラー心理学講座
「AIJ心理療法士養成講座」
講座B. 『エピソード分析』の実習を含むアドラー心理学講座
「AIJカウンセリング講座」
「AIJカウンセラー養成講座」
「パセージプラス・リーダー会」
講座C. その他のアドラー心理学講座
「AIJアドラー心理学基礎講座」
「AIJアドラー心理学特殊講義と演習」の各講座
「特殊診断質問ワーク」
「かささぎ座」
「メルヘン・セラピー」
「パセージ・リーダー会」
「パセージ・リーダー養成講座」
「オープン・カウンセリング」
「事例検討会」
その年度の講座内容により分類が異なるもの
「AIJアドラー心理学練成講座」
未定
「AIJアドラー心理学秘訣講座」
※各講座・商品の写真はイメージです。
