いじめやハラスメントの被害者に対しても、「相手の課題」であり「自分の受け止め方次第」だと言うのですか?

Category: 対人関係について

いいえ、被害者の苦痛を無視したり「受け止め方次第」として暴力を容認したりすることはあってはならず、まず被害者の安全確保を最優先とし、必要に応じ医療・法・警察等の専門的支援へとつなぎ、その上で要請があれば心理的対応を行います。

アドラー心理学はそこで、「相手の課題」だとして、被害者の苦痛を無かったことにするものではありませんし、もちろん「自分の受け止め方次第」などと、結果として暴力に与する不法な姿勢を伝えるものでもありません。加害者の行動の責任は加害者の課題として別途充分に問われねばなりませんが、まずは喫緊の課題として、被害者が現在までの状況から抜け出してふたたび安心して人々との関わりに参加できるようになるために、被害者自身の安全を関係者や(必要に応じ)法の専門家、警察等との調整により万全に確保しつつ、医療的な対応を含む専門的な支援へと速やかにつないでいくことが何よりも重要と考えます。そうした上で、あるいはそうした中で要請があれば、アドラー心理学の心理療法士やカウンセラーからも可能な対応を行います。