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幸福・共同体感覚・貢献感について
「普通であることの勇気」が、不完全な自分をありのまま受け入れることを意図するものならば、完璧を目指す不健全さとは異なり、現実的な目標設定と地道な努力といった健全な向上心を持つことと矛盾しないと考えられます。
著者の方がどのような意味合いで「普通であることの勇気」というものを推奨されているか存じ上げませんが、もし完璧ではなく不完全な自分自身をありのまま受け入れることを意図されているのであれば、それは必ずしも、向上心や目標を持つこととは矛盾しないと考えられます。アドラー心理学の視点からは、個人が非の打ちどころのない完璧な存在であろうとすることは、むしろ不健全ということができます。そうではなく、実際には不完全である自分自身を受け入れて、それによって現実的な目標設定を行い、目標に向けて地に足のついた努力を重ねていくことこそが、健全な向上心であると考えます。
