原因を探求せずに問題の解決に至れるというのは、具体的にどのようなプロセスを想定しているのですか?

Category: トラウマ・原因論の否定について

アドラー心理学は、過去の原因探しに終始するのではなく、「これからどうしたいか」という未来の「目的」を明確にし、その目的達成のために現在の対処行動が適切かを検討した上で、「今ここで何ができるか」を具体的に話し合い、その実行を「勇気づける」ことで行動変化を促し、問題解決を目指します。

過去の原因が分かっても、それだけでは解決しないことが多いという実践的な立場から、アドラー心理学では原因探しに終始するのではなく、「これからどうしたいのか(目的)」を明確にし、その目的達成のために「今ここで何ができるか」に焦点を当てます。そのためアドラー心理学の臨床では、人生の課題に際しての対処行動が、どのような目的のもとでどのように行われているかを確認し、それらが目的や対処行動の仕方として適切であるかを検討したうえで、適切な目的に向かって実際に何ができるかを話し合い、そうした行動へと本人を勇気づけます。そこでは原因の代わりに、目的と未来に焦点を当てることで、具体的な行動変化を促し、問題解決を目指すのです。