生まれ持った気質や才能、家庭環境といった初期条件は、ライフスタイルの形成に影響しないと本当に言えるのですか?

Category: 自己決定性・ライフスタイルについて

いいえ、影響は大きいと認められますが、それらが人生を決定づけるのではなく、個人がそれらの条件(材料)にどのような「意味づけ」を行い、どう「用いるか」によってライフスタイルは形成されると考えます。

それらの影響は確かに認められます。特に、家族構成(アドラー心理学では「家族布置」と呼びます)と、持って生まれた障害(「器官劣等性」と呼びます)が個人の性格に与える影響は大きいと考えられます。しかし、それらが直接的に人生すべてを「決定づける」わけではありません。個人が概ね無意識に、それらにどのような「意味づけ」を行い、それらをどのように「用いるか」によって、アドラー心理学でいうところのライフスタイルは形成されるのです。その意味で、ライフスタイルは環境によって直接作られたものではなく、生得的な条件や家庭環境を材料として、個人が自ら創造したものともいえます。

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