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こじれたコミュニケーションの5つの段階
「権力争い」とは、不適切な行動の目的の第三段階であり、注目を得ても居場所がないと感じた子どもが、特に罰や強制を用いる大人に対して「勝たないと価値がない」と考え、反抗的な態度やルール破りによって自分の力を示そうとする状態を指します。
不適切な行動の目的、その第三段階が「権力争い」です。前の段階である「不適切な行動で注目・関心を得る」を試みても、所属が得られないと感じたり、自分には価値があると十分感じられなかった場合にこの段階に進みます。つまり、大人が子どもの行動をコントロールしようと罰を用いたり強制したりした場合に現れやすくなります。子どもは、大人に勝たないと自分には価値がなく、自分の居場所がないと感じます。そこで大人に対して反抗的な態度をとったり、指示に従わなかったり、わざとルールを破ったりすることで、自分の力を示そうとします。
この段階は、大人の側では腹立たしく感じられますが、だからといって正論や力で押さえつけようとすれば、子どもの抵抗はさらに強まり、いわゆるケンカに陥ってしまいます。重要なのは、コミュニケーションが権力争いの形になってしまったことに気づいたら、その争いから降りることです。もしどうしても感情的になる場合にはその場を離れ、冷静になってから改めて話し合うことが大切です。その際には、大人が自分の意見を言う前に、相手の話を裁かず十分に聞くこと。そして、子どもの行動の適切な側面を探したり、子どもはそもそも何を解決したかったのかを考え、そのために大人が協力できることはないか相談したりすること。これらが、こじれたコミュニケーションを改善するために重要となります。
