基礎講座を開設し
長年教えた
野田俊作の
メッセージ
アドラー心理学は、家族関係や学校のクラスルーム運営やカウンセリングに、とっても役に立つ知識や技術を教えてくれますよね。でも、ただ「こういう場合にはこうする」ということだけを覚えていると、ちょっと状況が違うと、どうしていいかわからなくなります。
そこでお勧めが「アドラー心理学基礎講座」です。基礎講座、なかでも理論編は、ものすごく難しいんです。講師自身がそう言うのだから間違いありません。それでもお勧めしたいのは、アドラー心理学の根本原理を学ぶと、それまで出会ったことがないような新しい出来事に出会っても、原理にさかのぼって考えることができるようになり、そうすれば自力で答えを見つけだすことができるようになるからです。
これはすごいことですよ。たとえていえば、鍋料理みたいなもので、他にはなにもいらなくて、そのなかに何でも入っているんです。それまでは、単品でいろんな料理を頼んでいたので、「あれがないなあ、あれもあればいいのに」と思うこともあったかもしれませんが、理論を知ると、とにかくその中に答えは必ずあるんです。
ただし、理論は、いわば「冷凍食品」で、そのままでは使えなくて、解凍しないとたべられません。解凍するためには、まず理解した上で、実践してみて、わからなければ仲間と話し合って、どういう場合にどういう理論をどのように使えばいいのかを、すこしずつ身につけていかなければなりません。そうではありますが、答えはとにかくすべて入っているんですよ。
私がアメリカに留学したとき、モザク先生の基礎講座理論編を受けました。感動しましたね。そのとき34歳だったのですが、「やったあ、これで人生のすべての問題は解けるぞ」と思いましたよ。思いましたが、実際に解けるようになるには、それから2~3年の修行が必要でした。
あなたの先生は私の先生よりもいい先生なので、あなたは2~3年はかかりません。どういい先生かというと、私の先生はみんな英語しかしゃべれなかったんですよ。でも、あなたの先生はちゃんと日本語をしゃべれます。だから、まあ半年か1年もすれば、人生のすべての問題を自分で解けるようになっていると思いますね。
野田俊作
講座の概要
シンプルさに、
きっと驚く
- Qアドラー心理学基礎講座とは?
- A
アドラー心理学って何? どんなもの?、と思った方に、まずおすすめなのがアドラー心理学基礎講座です。その名の通りアドラー心理学の「基礎」、つまりアドラー心理学で使われる基本的な用語と基礎となる考え方、それらの日常生活への応用の仕方について、本格的に学べます。
アドラー心理学はたいへん援助力の高い心理学ですが、その原理はとてもシンプルで、どなたにでも学んでいただけます。またアドラー心理学では、いまの社会が「常識」としていることと、全く別の視点で物事を考えることがあります。はじめて触れる方は、このシンプルかつユニークな原理で人間のありとあらゆる行動を理解できることに、びっくりされるかもしれません。
AIJアドラー心理学基礎講座では、あたたかな雰囲気の中で楽しく真剣に、アドラー心理学の「いろは」が学べます。
ゼロからでも、
学び直しでも
- Qどういう人が対象ですか?
- A
対象は広く一般の方々を想定しています。アドラー心理学に関心のある方ならどなたでも学んでいただけます。年齢、性別、職業や立場を問わず、とにかくアドラー心理学を学んでみたい方に最適です。心理学というものを全く学んだことのない方も大歓迎です。
また、これまでに何らかの形でアドラー心理学を学んでこられた方が、知識を整理・点検するためにも大変役立ちます。書物で独学を続けてこられた方にとっても、アドラー心理学を日常に活かす実践的な使い方が学べるため、得るところがとても大きいでしょう
育児コース『パセージ』や『パセージ・プラス』を受けたことのある方が、さらに学びを深めるために受講されるのも大いにおすすめです。それらで学んできたことがどうしてあんなに効果的なのか、その理由がこの講座でわかりますから、日頃の実践をますます楽しめるようになるでしょう。
基礎講座は「人生全般」
- Q『パセージ』との違いは何ですか?
- A
『パセージ』『パセージ・プラス』はあくまで育児のためのプログラムですので、子育て中の方や、仕事で子どもと関わる方々が対象になります。そのため、そこでは育児の話題が中心となり、子ども以外との対人関係の話題は、ふつうは扱われることがありません。また、育児を学ぶことに特化して設計してありますから、学ぶのは「アドラー心理学」そのものというより、「アドラー心理学にもとづいた実践的な育児法」という位置づけとなります。
一方、このアドラー心理学基礎講座では、アドラー心理学の基礎全般について、網羅的に学びます。そのためここで学ぶことは、育児や教育はもちろん、友人関係や職場での対人関係、夫婦関係など、人生の課題全般に幅広く応用していただけます。
ここが、
日本のアドラー心理学教育の「源流」。
- Q内容は確かなものですか?
- A
AIJが日本のアドラー心理学教育に携わったのは、その前身組織『アドラーギルド』も含めると、実に40年以上にも及びます。日本でアドラー心理学は戦前から書籍を通じて散発的に紹介されてきましたが、欧米で実際に学ばれている内容を講座や教育コースとして本格的に日本で教え始めたのは、『アドラーギルド』が初めてです。以来、著名な方を含む多くの専門家の皆さんや、アドラー心理学を普段から実践して暮らしておられる『アドレリアン』の皆さんを、何世代にもわたって輩出してきました。そうした先輩方が、アドラー心理学学習のスタートラインとして学んでこられた講座が、このアドラー心理学基礎講座です。
内容は、アルフレッド・アドラー自身を始めとする、名だたるアドラー派の心理学者たちの教えた学説・技法の最も大切な点を正確に踏まえながら、日本で暮らす私たちが分かりやすく学び、正しく応用できるよう隅々まで工夫された、正統かつきわめて実際的なものです。講師をつとめるAIJのアドラー心理学指導者も、最初はこの講座から学びました。
本で引いた「線」の外に、答えがある
- Qアドラー心理学に関する本はたくさん出版されているのですが、そうした中で本で学ぶのではなく講座に出ることのメリットを教えてください。
- A
これは野田が言っていたのですが、「本を読んで大切だと思うところに線を引く。これをやっていると、結局自分が大切だと思った事にしか線が引けない。線を引いたところは全部「自分」なんです。本当に大切な事は別のところにあるのかもしれない。講義では、自分があまり大切と思っていなかったことについても無理矢理聴くことになる。そうすることで、独学では見逃しがちなところに気づいて、学ぶことができるのです」。
また、アドラー心理学用語の中には、一般的に使われている言葉でありながら、アドラー心理学独特の意味を含んでいるものがあります。たとえば「勇気づけ」や「ライフスタイル」、「タテの関係とヨコの関係」などがそれにあたります。これらの言葉がアドラー心理学の文脈でどのようなことを表しているか正確に学ぶには、書物による独学ではなく、講座での実際の使われ方から学ぶのが確実です。
講座を受けるメリットは他にも、疑問点をすぐに質問できることなどがあげられますが、自分がこれまで知らなかったことをアドラー心理学から学びたいなら、講師から直接学ばれることを強くお奨めします。
「雰囲気」こそが、
本当の学び
- Qどうしてオンライン講座ではなく、対面講座なのですか?
- A
本やオンライン講座ではどうしても学べないこととして、アドラー心理学ならではの、伝統的な「雰囲気」があります。アルフレッド・アドラー自身の臨床姿勢に由来し受け継がれてきたこの雰囲気は、アドラー心理学を実践する人たちの対人関係での構えや、ものごとの伝え方、話の聞き方などに直接触れてこそ学び取れるもので、アドラー心理学を日常で正しく使おうとするとき、とても大切となります。
実際のところ、アドラー心理学の雰囲気を体験するのは、本ではもちろん、オンラインでも本当に困難です。そのため、AIJでは対面での講座をとても重視しています。
「わかったつもり」を、
「身についた」に変える4日間
- Qどのようなカリキュラムでどのようなことを学ぶのですか?
- A
AIJアドラー心理学基礎講座には、「理論編」と「応用編」の2種類があります。どちらも1日6時間を4日間、合計それぞれ24時間をかけて、アドラー心理学用語の使い方や基礎的な考え方をじっくりと学び、理解し身につけていただけるように構成しています。
理論編では、アドラー心理学の中核となる考え方について学びます。
- 1日目、2日目は「アドラー心理学の基本前提」を学びます。これは、人の行動を理解しようとするときにアドラー心理学ではこの前提に沿って考え、この前提に基づいて理解する、という最も基本的な約束事です。
- 3日目は、アドラー心理学のいわば性格理論である、「ライフスタイル」について学びます。
- 4日目は、アドラーが提唱した「共同体感覚」について学びます。これは、アドラー心理学独特の、そしてその核心ともいえる、人はこのように生きる事で幸福を感じられる、という考え方です。
応用編では、日常生活でどのようにアドラー心理学を使うかについて学びます。
- 1日目は「勇気づけ」の章で、日常の様々な場面でアドラー心理学を応用できるように、その際に大切となる「勇気づけ」の基本的な考え方と、具体的な方法を学びます。
- 2日目は「ライフスタイル」の章で、一般的な対人関係の問題に対する基本的な考え方と、それらの解決方法の基礎となる『エピソード分析』を学びます。
- 3日目は「共同体感覚」の章で、具体例として、ケンカなどのこじれたコミュニケーションについての考え方と、実際の解決法について学びます。
- 4日目は「組織とルール」の章で、それまでに学んだことを土台にして、家庭や職場など日常場面で、より協力的で有益な話し合いができるようになるための、考え方と方法を学びます。
どちらも、それぞれ野田俊作が著したテキストに沿った講義によるインプットと、グループでのワークやディスカッションによるアウトプット、そして質疑応答を織り交ぜて進みますので、アドラー心理学の中核となる言葉使いや考え方、日常での使い方をしっかりと学んでいただけます。
あなたが「ピンときた方」から
- Q理論編と応用編の、どちらの講座を先に受けるのがよいのでしょうか?
- A
どちらでも大丈夫です。どちらが前でどちらが後でも、まったく差し支えのない内容になっています。ですが、アドラー心理学の基礎を身につけるためには、最終的に両方の講座を修了されることをおすすめします。
「使える」ようになるには、4日間
- Qどちらの講座も全部で4日間あるとのことですが、そのどこか1日を単発で受講することはできますか? また、前半だけを受けて後半はまた別の機会に受ける事はできますか?
- A
1日ごとの単発受講や、前半または後半だけの受講も一応受け付けております。しかし、初めて受講される方は、内容をしっかり理解し使えるようになるために、できるだけ4日間通しでの受講をとおすすめしています。
あえて「基礎」に特化。
だから、深い
- Qこの講座で学べないことは何ですか?
- A
基礎講座はアドラー心理学の基本をしっかりと網羅的に学ぶことで、普段から正しく使えるようになるための講座です。つまり、ほんとうにアドラー心理学の「基礎」をお伝えする講座ですから、まったく専門家向けの内容となる、カウンセリングや心理療法のやり方についてはここでは学べません。それらにつきましては別途講座を設けています。
カウンセラーへの道も、
ここから
- Qこの講座を修了した後はどの講座がおすすめですか? また、カウンセリングや心理療法はどの講座で学べますか?
- A
基礎講座を修了すると、ここで得たことを基礎として、「特殊講義と演習」の各講座など、より踏み込んでアドラー心理学を学ぶプログラムへと無理なく進むことができます。
カウンセリングについては、基礎講座を修了した後、「カウンセリング講座」などで学びます。アドラー心理学カウンセラーの資格取得を志す方は、AIJ認定カウンセラーの資格が取得できる「カウンセラー養成講座」の受講を目指していただきますが、その際は、基礎講座を両方とも修了している事が受講条件の一つとなります。また、心理療法を学ばれるなら、そのようにしてカウンセリングができるようになることは必須です。したがいまして、アドラー心理学を深く勉強されるなら、まずは土台として身につけていただきたいのが基礎講座の内容、ということになります。
例年より、
もっと身近に。
- Q基礎講座はいつどこで受けられますか?
- A
基礎講座の理論編と応用編は、年にそれぞれ1回づつ大阪近辺で開催いたします。また関東では毎年1回、理論編か応用編のどちらかが開催されています。
今年は、そのほかにも各地で、数回の開催が予定されています。詳細は逐次発表いたします。年間スケジュールをご覧ください。みなさまのご参加をお待ちしております!
受講者からのメッセージ

基礎講座理論編に参加しました。
今まで、基礎講座は難しそうというイメージで、ハードルが高かったのですが、とても分かりやすく解説していただき、途中で先生の話をもとに、実習やグループで話し合う時間もあったので、学びやすかったです。
アドラー心理学を生活で実践する上で、とても大切なことを学べる講座でした。
全部が、日常生活とつながっていて、家族や友人、職場の人たちと、どのような関係を築いていきたいのか?みんなが幸福になるために、自分が出来ることは何なのか?を考える機会となりました。
ありがとうございました。

ゲゼルシャフト(契約社会)が悪いのではなくて、その中にゲマインシャフト(血縁共同体)の心でもって所属できることが、みんながしあわせになれる道なのだと知りました。1人1人の『心』が、大事。たとえ周りがそうでなくても、まずは自分がその心でもってやってみる勇気をもつ。それが伝わり、いいなと思う人が集まると、そのようなコミュニティができていく。周りはどうであれ、まずは私がこの理論編を家で・ご近所の中で、実証してみることを楽しみたいなと思いました。パセージがより楽しくなること間違いなしのこの講座に多くのメンバーと一緒に参加できて、この先語り合えることにワクワクしています。

『これまでの私』と『これからの私』をしっかり見つめながら理論や思想の整理ができて、私にとってベストなタイミングでの受講でした。
ちゃんと知ってしまったのでもう言い訳できないけど、この公理を採用するって決めたのは私だからと、素直に受け止めることができました。
誰のせいでもなくて、全部私が意味づけて決めたこと。どう考えどう振る舞うか、私が変わると決めたその瞬間から、世界や未来、性格も、変わっていく。4日間の集大成の学びは、ここかなと思います。

基礎講座理解編、応用編を受講して、パセージの基となっているアドラー心理学について、体系的に学ぶことができました。
パセージとパセージプラスで学んだことが、アドラー心理学の概念や思想と全てしっかりと繋がっていて、
ふたつの基礎講座を受けたことでより理解が深まりました。
子育てや親子関係にとどまらず、「アドラーで生きる」ということを、
講義やワーク、受講者同士のシェアリングを通して、体感しながら知識を積み重ねることができる講座です。
そして、何度受けても毎回新しい発見や気づきがあり、自分の学びに厚みが出てくることを感じられるのも、魅力の一つです。
基礎講座を受けると、またもう一度パセージを受けたくなります。

基礎講座応用編を受けて学んだことは、暮らしの中で起こる出来事を、どっちがよい、どっちが悪いと考えるのではなく、どうすれば私も相手も今ここに居場所があると感じられるかと考えていくということです。よい、悪いというのは、出来事に対しての私の意見にすぎず、別の意味づけもできると思いました。また、自分だけを見るのではなく、二人にとってどういうことか、家族にとってどういうことかと、より大きな共同体を考えると、共同体の中に組み込まれている私が何をすればよいのかがわかると思いました。応用編の会場の中にも私の居場所があると感じました。先生と生徒がいる場ですが、人として価値は平等と体で感じることができました。アドラー心理学は本では学べないと言われますが、共同体の場でしか学べないことがあると思いました。
現在開催予定のAIJアドラー心理学基礎講座
- AIJアドラー心理学基礎講座応用編:大阪(大阪府) on 2026年2月14日
- AIJアドラー心理学基礎講座応用編:桑名(三重県) on 2026年3月7日
- AIJアドラー心理学基礎講座理論編:金沢(石川県) on 2026年6月13日
- AIJアドラー心理学基礎講座応用編:横浜(神奈川県) on 2026年6月20日
- AIJアドラー心理学基礎講座理論編:姫路(兵庫県) on 2026年9月5日
- AIJアドラー心理学基礎講座応用編:札幌(北海道) on 2026年11月21日


