朝の出来事。
2階から、姉妹の楽しそうな声。
私は、娘達を見送るため玄関で準備をしていた。
M「お母さん、見てー♪おそろいなんだよ。」
昨日、祖母からプレゼントされた姉妹でお揃いの紫色のワンピースを着て嬉しそう。
私は、笑顔を作りつつも、
その新しいワンピースが幼稚園で汚れたら嫌だなぁと思った。丈も幼稚園に着ていくには長いような気がした。
そのままの感情で、つい、言ってしまった。
私「おそろいで可愛いんだけどさぁ、幼稚園に着ていったら絵の具とかで汚れちゃうんじゃない?
ちょっと丈も長いんじやないかな?」
M「じゃあ、、やめる。」 しょんぼりしている様子。
私は、Mがあっさり引き下がるので拍子抜けした。
私「なんで?」
M「お母さんが怖いから。」
私は、怖いと言われ少しムッとして、
「そーなの?別に怒ってないけどさぁ…お母さんが怖いからとか言うのはやめてよ。」
M「じゃあ、着ていく。今日は絵の具は使わないもん。」
私「そう。」
そんなやり取りをした後、
3姉弟はキャッキャと手を繋いで歩き、私は少し後ろから歩いて、家の前の坂道を下った。
さっきは、裾が長すぎると思ったけれど、引っかかって危ない丈ではないな。
ただ新しいだけだな。
冷静さを失うとこんなに見方が変わるらしい。
もう、娘がニコニコ笑顔で階段を降りてきたあのときには戻れないけれど。
もし同じようなことがあったら、どんなことができるか考えた。
一呼吸だな。
そしてまずは、一緒にお揃い可愛いね、ばぁばに貰って良かったねって喜びたい。
それから、もうちょっと話を聴きたい。
でも、何を聴く?
少し考えてみた。うーん。考えても考えても、いつもの会話という感じだなぁ。
Mから「お母さんは仲間」と思ってもらえそうだし、悪くはない気がするけれど、なんだかなぁ。という感じがした。
パセージの先輩にこの出来事について話を聴いてもらうと、
「Mちゃんに学んで欲しいことは何?」
「それによって聴き方の工夫ができるかなぁと思う。」
とアドバイスを頂いた。
なるほど、もう一度考えてみよう!
学んで欲しいことは、
「服は色んな選び方があるけれど、TPOに合わせて選ぶ方法もある」ということ。
そこを意識して、ゆっくり時間をかけて何を聴こうか考えてみた。
「Mは、幼稚園に行くときどんなことを考えて服を選んでいるのー?」
「そういえばMちゃん、体操がある日は体操服着ているよね。」
「絵の具をする日はどんな服を選ぶ?」
「お誕生会の日は?」
「今日はどんなことするのー?」
こんな質問をしたら、
TPOによって服装を選ぶ方法をイメージしてもらえるかな?
わざわざ、子どものわくわくした気持ちを壊さなくても、子どもたちは充分学ぶことができるのかもしれない。
日常の小さな出来事こそ、丁寧に扱っていきたいなぁ。
自分に甘すぎず厳しすぎず、仲間と一緒に学び続けていきたいと思った。
NPO法人アドラーよこはま 神奈川県 M.H