みなさんは野田先生の講演会に参加したことはありますか。野田先生は全国各地で講演会を開催してくださっていました。その際、講演会の時間と同じだけ、質疑応答の時間を設けておられたそうです。講演は主に開催地が希望するお話をしてくださいます。質疑応答は紙に質問を書いて、野田先生はその質問を読んで、ときにはユーモアを交え一つ一つ丁寧に答えてくださいました。
その中の一問一答を紹介します。みなさんはどんなことを感じられるでしょうか。
※()内は野田先生のつぶやき
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質問:
小3の息子の担任の先生は宿題をたくさん出すのが好きみたいです。(ほー)
7月16日までに計算ドリルと漢字ドリルを提出するように、7月13日頃息子は聞いてきました。約40ページを2~3日ではできないので、息子は提出しませんでした。(えらい子や)
7月16日に2~3人のお子さんが提出したそうです。夏休みに入る終業式までに2~3人ずつ出したそうですが、19人は提出できず。先生は7月27日までに出すよう言われたそうです。息子は「意味ない。」と言って一日2~3ページしかしないので、提出するのはいつになるかわかりません。私になにができるでしょうか?
野田先生の回答:
なんて偉い子なんだろうと思って!この子将来過労死する心配、絶対にない。先生にも感謝して。「この子サラリーマンになっても自分のペースで仕事して、一生健康管理できると思います。ありがとうございます。」~って言っといて。(すごい嫌味ですね)
会場参加者:笑
野田先生の回答:
私は宿題に対しては、原則的に反対なんです。だって一日に6時間も学校へ監禁しておいてくだらないこと教えて、それ以上まだ家でやれって、そんなバカなって思います。やりたい子はやってもいいです。お勉強が好きな子はいますから。全員これをやるべきだっていうのは、教師の怠慢だと思う。学校に居る間に分かるように全部教えてよ。学校で足りない分、家でやって来いっていうのは、先生がサボっている分でしょう・・・と基本的に思うので、あまり賛成じゃないんです。
うちの子がもしこんな風にするとしたら、まあそれはそれでいいんじゃない。教師の怠慢を子ども達が後から責任をとって埋め合わせることもないでしょうから、一日に2~3ページもやれば大したもんです。あなたにできるだけの勉強をすればいいです。
慌てて勉強すると馬鹿になるんです。知識というのは、情報と知識と知恵と三レベルあるんじゃないでしょうか。学校ではその時、その時でいろんな情報を教えてくれます。それが段々とある形をとってある仕組みをもって知識になっていくわけなんです。理科でも社会でも算数でも国語でも一つの知識となるためには、何年も学んではじめて見えてくる訳じゃないですか。
例えば、日本の歴史、794年平安京に遷都したと学んだところで、何も起こってないんです。日本の始まりから今までずーっと立体的に全部が見えてはじめて一つの知識となるわけなんです。
でも知識があったからって、それが人生で役に立たないんです。そのことを私が生きていく上で使えるようになってはじめて知恵って云うんです。それを物凄い速度で情報を詰め込んだら、それが知識に再構成される暇がなくなるんです。知識に再構成されてもそれを知恵として自分のものにしていく時間がないです。
だから、ゆっくり学んだ方がいいと思います。こんなに大急ぎで勉強させるとどんどんバカになりますから、うちの子は賢い、ちょうど自分のペースに合わせて学ぶから喜んで!
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岐阜アドラー心理学研究会 岐阜 A.T