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基本前提
アドラー心理学の「対人関係論」とは、劣等感や人生の課題を含む人間のあらゆる問題や目標は、根本的に対人関係の中に存在すると捉える考え方です。
アドラー心理学では、人間のあらゆる問題は、対人関係の中に存在すると考えます。この考え方を「対人関係論(interpersonal theory)」と呼びます。個人の行動のきっかけとなる劣等感も他者との関わりから生じるものであり、個人が意識的・無意識的に目指している目標も、つきるところ対人関係上の文脈に位置しています。すなわちいかなる人生の課題であれ、個人にとっては対人関係(仕事、交友、愛)の問題に他なりません。したがって、個人の問題を理解し解決するには、その人が他者といったいどのような関係を築いているのか、その人の対人関係における目標は何か、といった観点から取り組むことが重要となります。
なお現在では「対人関係論」は、アドラー心理学の理論的枠組みをアドラー自身の言葉に立ち返り、より俯瞰的かつ現代的な視点から再構築しようとする動きの一環として、「社会統合論(social embeddedness)」と呼ばれるようになりました。
