不適切な行動の目的として挙げられる「復讐する」とはどのようなものですか?

Category: こじれたコミュニケーションの5つの段階

「復讐する」とは、不適切な行動の目的の第四段階であり、それまでの段階(賞賛・注目・権力争い)で所属感を得られず大人に傷つけられたと感じた子どもが、自分を傷つけたと認識する相手に対し、物を壊したり嘘をついたりするなど意図的に相手が嫌がることをして仕返ししようとする状態を指します。

不適切な行動の目的、その第四段階は「復讐する」です。これは、第一段階「賞賛を求める」、第二段階「注目を得る」、第三段階「権力争い」といったいずれの行動でも、所属感や自分には価値があるという感じが持てず、大人から傷つけられたり、不当な扱いを受けたと感じたりした場合に現れます。子どもは、直接的には相手に勝てないと悟ると、間接的な方法で相手を傷つけようと試みます。つまり、自分を傷つけたと認識している相手に対し、意図的に相手が嫌がることや困ることを仕掛け、仕返しをしようとするのです。例えば、物を壊す、嘘をつく、陰湿ないじめをするといった行動です。非行に走ったり、神経症的な症状を出す事もあります。

この段階の子どもは深い絶望感や憎しみを抱いていることがあり、その場合、罰や叱責はもちろん、普通に話しかけることさえ、かえって復讐心を煽るだけとなります。大人の側も深く傷つくことの多いこの段階は、もはや当事者どうしでは解決できません。そのため、こじれたコミュニケーションは、一つ前の「権力争い」の段階で止めておく事が極めて重要となります。この復讐の段階では、第三者であるカウンセラーや心理療法士といった専門家の介入が必要になります。あるいは第三者でこの子どもと良好な関係を築いている大人がいれば、その方の援助を仰ぐ方法があります。