他者を「仲間」だと見なすことが難しいと感じる人に対して、どのようなアプローチがありますか?

Category: その他の疑問

まず支援者側が本人を心から仲間として接し、率直な対話を通じて信頼関係を築くことが必須であり、実際の相談ごとはその上での話となります。専門的なトレーニングを積んだカウンセラーなら援助が可能なこともあります。なお、事情次第では医療機関への相談が必要です。

悩み事の相談というものは、相談者が相談相手に対して率直に自分の困難について語り、そこで得られたアドバイスを活かして困難を解決しようとしている場合に限り、可能となるものです。そのためには相談相手は相談者にとって、心から信頼できる仲間でなくてはなりません。ところがご質問の場合、悩み事が「他者を仲間と見なすことが難しい」それそのもなのですから、このままでは相談として成り立ちません。

したがって相談よりも前に、まず相談に乗る側から、ご本人のことを心から仲間だと思い、実際にそのように接するところから始めなくてはなりません。たとえば、相手の興味がある話題などについて率直に話し合ってみるのもよい方法でしょう。そのようにして、相談に必要な信頼関係を築くことが、カウンセリングへの糸口にもなるのです。アドラー心理学ではカウンセリングを可能とする良い人間関係のことを「治療的人間関係」と呼び、その条件をまとめています。

なお、その相談者ご本人が、全く誰も「仲間」と見なせていないとは限りません。とても少ないながら、実は心の許せる相手がどこかにいらっしゃるのかも知れません。そうした方が分かった場合は、相談者ご本人の許しをいただいたうえで、その方とご本人のことで相談してみられるのもひとつの方法です。

あるいは、こうしたケースでも専門的なトレーニングを積んだカウンセラーなら援助が可能なこともあります。また、ご本人のこの困難さが発達障害や、またはうつ病や不安障害などの精神疾患に根ざしている場合、ないしそれらのおそれがある場合は、医療機関への相談が必要となります。しかしそれらの専門家への相談にしても、ご本人の意思を無視して勝手に進めることはできません。その意味でも、まずは、あなた自身がその方の「仲間」になることから始めなくてはならないのです。