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その他の疑問
まず支援者側が本人を心から仲間として接し、率直な対話を通じて信頼関係を築くことが必要であり、カウンセリングや専門家への相談はその上での話となります。
悩み事の相談というものは、ご本人が相談する相手を信頼できる仲間だと感じていて、そこで得られたアドバイスにより自分の困難を改善しようとしている場合に限って可能となるものです。しかしご質問の場合は、困っておられることが『他者を「仲間」だと見なすことが難しい』こと、それそのものですから、このままでは相談が成り立ちません。したがって相談以前に、まず相談を受けようとする側がご本人のことを心から仲間だと思い、実際にそのように接するところから始めなくてはなりません。たとえば相手の興味がある話題などについて率直に話し合ってみるのもよい方法でしょう。そのようにして、悩み事を相談できる関係を築くことこそが、カウンセリングへの糸口にもなるのです。
また、そもそもご本人が、他者すべてを全く「仲間」と見なせていないとは限りません。心の許せる相手が、実はどこかにいらっしゃるのかも知れません。もしそうした方がおられたら、その方にご本人のことで相談してみるのもひとつの方法です。
あるいは、専門的なトレーニングを積んだカウンセラーなら援助が可能なこともあります。またその困難さが発達障害や、あるいはうつ病や不安障害などの精神疾患に根ざしてい場合、またはそのおそれがある場合は、医療機関への相談が必要となります。しかしそれら専門家への相談にしても、ご本人の意思を無視して進めることはできません。その意味でも、まずはあなた自身がその方の「仲間」になることから始めなくてはならないのです。
