アドラー心理学では、人間は社会的な存在だと考えます。人間関係から切り離された抽象的な個人を考えるのではなく、家庭や社会のなかで、他の人々とともにに暮らしている生きた存在として個人をとらえようとします。アドラー心理学は、そのような個人が人々の中でどのように行動するのか、個人はそこでどのように行動すべきかを教えます。すなわちアドラー心理学を学ぶということは、「私は人々のなかでどのように行動しているのか、私はそこでどのように行動すべきか」と、他ならぬ自分自身に問い続けることを意味します。アドラー心理学とは、まさに実践の学なのです。
実践の学においては、自分ひとりだけで頑張るよりも、学習者同士で助言し合い、お互いに研鑽を重ねたほうが確かな道のりとなります。アドラー心理学の自助会・研究会(自助グループ)は、アドラー心理学学習者のための、「先生」のいない自主学習グループのことで、
1)アドラー心理学を学習する場であり、
2)参加者の問題の解決に向けて、
3)全員が参加し貢献していく、
という3つの条件を満たすものです。
学習内容や成り立ちは、『パセージ』終了後にパセージフォロー会として発足するグループが多いですが、メンバーがそれぞれ自身の事例を持ち寄り「エピソード分析」などをつかって協力的な暮らしとなるよう話し合うグループ、などがあります。いずれのグループも、アドラー心理学を頭で学ぶだけでなく、仲間とともに体験的に実践的に学ぶ場として、初心者からベテランまで多くのアドラー心理学学習者が継続的に参加しています。会の運営方式はグループによってさまざまですが、AIJでアドラー心理学を学んでくださっている方がグループのお世話役となり、参加費は無料もしくは会場費・経費程度で運営されています。
ぜひ、お近くのグループにご参加ください。