課題の分離

実践の難しさ・現実との乖離について

アドラー心理学を実践しようとして、周囲から「冷たい人」「理屈っぽい人」と誤解される可能性はありませんか?

アドラー心理学にも他の学問同様に誤用や悪用の危険が伴うため、その実践が他者にとって迷惑であれば、嫌われて距離を取られることとなります。また、他者を追い詰め苦しめるなど有害な結末が生じれば相応の責任は免れません。その可能性はあります。まず原則...
実践の難しさ・現実との乖離について

職場の上司や取引先など、力関係がある相手に対して「課題の分離」や「横の関係」を主張するのは現実的ですか?

「主張」するのではなく、まず自分から相手への関心と尊敬の念を持ち、自己の課題に責任を持って正しくアドラー心理学を「実践」することが基本であり、その姿勢は一般的な倫理観にも通じるため、健全な環境であれば信頼につながっていく可能性もあります。主...
課題の分離について

相手が「課題の分離」を理解していない場合、一方的に分離を主張しても関係が悪化するだけではないですか?

その通りで、課題の分離は協力的な関係のための準備作業ですから、一方的に主張するのではなく、まず対話を通じてその課題が誰のものかを互いに確認することが求められます。その通りです。もちろん、こちらの側での課題の分離への理解が不充分である場合も同...
課題の分離について

社会的な問題(貧困、差別など)に対しても、「それは個人の課題だ」と片付けてしまって良いのですか?

社会問題は、それ(問題)を生み出した側、結末が波及している側、対処できる側が一致しない特徴を持つため、「個人の課題」と片付けて責任を押し付けるのは理不尽であり、むしろそう片付けられないという認識が共有されているからこそ、「社会問題」と呼ばれ...
課題の分離について

職場で明らかに困っている同僚がいても、本人が助けを求めない限り「他者の課題」として放置すべきなのですか? それはチームワークを損ないませんか?

「課題の分離」は無関心や放置を推奨するものではなく、相手の課題に土足で踏み込まない範囲で協力的な姿勢を示し、必要とされる場合に仲間として支援するものです。「課題の分離」は他者への無関心を推奨するものではありません。対等な立場の仲間にたいして...
課題の分離について

子どもの宿題をどこまで手伝うべきか悩む親に対して、「それは子どもの課題だ」と切り離すだけで本当に良いのでしょうか? 親としての責任はどうなるのですか?

親の責任とは、課題を肩代わりするのではなく、「課題の分離」を協力への準備段階と位置づけ、子どもが自ら課題に取り組む「勇気」を持てるよう援助することです。「課題の分離」は放置や責任放棄ではありません。課題の分離とは、親子あるいは仲間同士が支え...
カウンセリングと応用

家庭内でアドラー心理学の考え方を実践するコツはありますか?

家庭内でアドラー心理学を実践するコツは、子どもが「自然の結末」や話し合いで決めた「社会的結末(ルール)」から自ら学ぶのを援助し、暴力など許されない行為には冷静に選択肢を示して、これらを実行できる対等で協力的な親子関係を築くことです。アドラー...
主要概念

アドラー心理学の「課題の分離」とはどのような考え方ですか? なぜ重要なのでしょうか?

アドラー心理学の「課題の分離」とは、ある課題の結末が最終的に誰にふりかかるかという観点から、その課題が「本来誰の課題か」を判断する考え方であり、他者が本人の課題を勝手に肩代わりすることを防ぐとともに、必要に応じて「共同の課題」として協力し合...