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基本前提
アドラー心理学では「認知」を、客観的な事実そのものよりも個人の感情や行動を左右する「主観的な解釈や意味づけ」であると捉えます。
アドラー心理学では、人間の感情や行動は、客観的な事実そのものよりも、その人がその事実をどのように主観的に解釈し意味づけするか、つまりその人が持つ仮想、あるいは認知によって大きく左右されると考えます。アドラー心理学ではこれを「仮想論(あるいは認知論)」と呼びます。
例えば、同じ失敗を経験したときに、ある人は「自分はもうダメだ!」と悲観的に捉えるのに対し、別の人は「私は良い教訓を得たようだ」と前向きに捉えるかもしれません。客観的な事実よりも、その出来事に対する個人の意味づけ(仮想、認知)こそが、人のその後の感情や行動を方向づけると考えます。
アドラー心理学のカウンセリングでは、その人独特の仮想のパターン(私的論理)やそれに影響している個人の価値観(私的感覚)に気づき、必要に応じてより建設的な捉え方へと変えていくことを援助します。