パセージ、パセージ・プラス

怒ってばかりの育児

褒めて、おだてて機嫌を取る育児

放任したままの育児

そもそもパセージ、パセージプラスとは?

 アドラーが提唱した人間観を基盤とし、最新の心理学技法を織り込みながら、日本人の親子関係に適合させたプログラムです。各コースは、「AIJ認定パセージ・リーダー/パセージプラス・リーダー」資格を持つリーダーによって、全国各地で随時開催されています。開催は対面形式で行っています。

 『Passage』という名前は、”Parent Study System on Adlerian Group Experiences” の頭文字から名付けられました。同時に、この言葉には「通り道」という意味もあります。親子で、そして参加するメンバーみんなで、しあわせな親子関係にいたる「通り道(パセージ)」を一緒に歩んでいこう、そうした願いが込められています。

参加条件

 対象以外の方で参加をご希望の際は、各コースのリーダーまでご相談ください

パセージのカリキュラム

コースの種類とカリキュラム

Passage(パセージ)

【テキストの目次】

第1章 子育ての目標
第2章 賞罰のない育児
第3章 課題の分離
第4章 共同の課題
第5章 目標の一致
第6章 体験を通じて学ぶ
第7章 新しい家族
第8章 積極的に援助する


Passage Plus(パセージ・プラス)

【テキストの目次】

第1章 勇気づけと自己理解
第2章 自己理解と相互理解
第3章 さらに勇気づけを学ぶ
第4章 葛藤解決
第5章 よりよい関係を築く
第6章 民主的な家族

コースの内容

 それぞれのコースでは、育児とアドラー心理学に精通したAIJ認定資格者のリーダーと、メンバー合わせた6~14名でグループを作ります。各自が日々の育児での出来事を持ち寄り、アドラー心理学のテキストとリーダーのガイドのもと、皆で解決策を相談します。「我が家と同じだ」と共感したり、場面再現で子どもの立場を体験したりしながら、多角的な視点で話し合います。

 やってみると驚かれますが、子育ての悩みは想像以上に共通しており、グループは一方的なレクチャーではなく、皆で貢献的に相談しあう場へと深まっていきます。こうした体験はまさにアドラー心理学でいう「共同体感覚」の学びであり、独学やオンライン講座では得られないものです。

対面講座のメリット

 子育てとは、その場その場で起こるリアルなものです。親も子どもも人間である以上、本やオンラインで得た知識をもとに頭の中でシミュレーションしても、、現実の子育てが想定通りに進まないのは当然のことといえます。

 またオンライン講座では、講師からの一方的な語りかけや、一対一のやり取りに偏りがちです。オンラインで講師も含めた参加者それぞれの知恵や経験を持ち寄り、現実的な相談事へと深めていくのは簡単ではありません。

 一方、リアルな対面講座には、膝を突き合わせて行うメンバー同士のふれあいや会話があります。 『Passage(パセージ)』や『Passage Plus(パセージ・プラス)』で大切にしているのは、仲間と協力して問題を解決していく体験を重ねることです。そこで得た手応えや感覚を、そのまま地続きの日常に持ち帰り、ご自身の子育ての場で再現していただくことを目指しています。

長年の実績

 すでに現在では、そのような『パセージ』の子育てで育った子どもたちが親になり、親になってから自らあらためて『パセージ』を学び、自分の子どもを『パセージ』で育てています。これからも、多くのみなさまの『パセージ』へのご参加を心よりお待ちしております。

 なお、さらに詳しい内容のお問い合わせやお申込みは、各担当リーダー(またはコースの世話人)までお願いいたします。

パセージ受講者から

京都府S.I
京都府S.I

下の子が生まれ、上の子にイライラする機会が増え悩んでいたときに知ったパセージ。
子育てに対する考え方が変わり前向きに息子のことをみられるようになりました
不適切な行動に注目しない。正の注目をすることに日々努力しています。
期間があくとすぐ忘れてしまうので今後もフォロー会に参加して学んでいきたいです。

神奈川県 匿名
神奈川県 匿名

パセージに出会い、仲間に出会い、自分は一人じゃない、生きることは楽しい、どんな回り道も糧になっていくのだと初めて思えました
子育ての道のりは長いですが、これからも細―く長―く続けていけたらと思います!

神奈川県 匿名
神奈川県 匿名

パセージ受講前は、子どもの心にも、私の心にも問題があると悲観していましたが、パセージ受講後は、子どもと私のやり取りに問題があったのだと気づき、子育てや自分自身の心に大きな変化をもたらしてくれました

神奈川県 S.S
神奈川県 S.S

今まで自分なりには一生懸命子育てしていたつもりでしたが、子どもとうまく嚙み合わないことが多くありました。それがなぜなのかどうすれば良いのか見当がつかず、自分自身を責めてしまう日々がつづいていました。
 そんなときにパセージを受けました。学んでいるうちに、子どものためだと一生懸命になっていたことが、実は子どもを苦しめる結果につながっていたのかもしれないと思い当たることが、多くありました。(中略)
 パセージを学んだおかげで自分を責めることがほとんどなくなり、肩の力が抜けて、子どもと関わるのが楽しくなりました
 これからも、パセージで出会った仲間と共に学びあっていきたいです。パセージに出会えたことにこころから感謝しています。

三重県 Y.Y
三重県 Y.Y

私がパセージを受けて一番良かったことは、「別れてもいい」と思うほど関係が悪かった夫と笑顔で楽しく話せるようになったことです。まさか子育ての講座を受けて夫との関係も良くなるとは思ってもいませんでした。”相手を変えようとするのではなく、まずは自分が変わる”ことの大切さを学びました。さらに、パセージは自分に”変わりたい”って思わせてくれる講座でした。今では夫もパセージを学び、同じ方向を向いて育児ができることを嬉しく思っています。
まだまだ、夫とは揉めることはありますが(笑)、イライラしても夫の良いところに目を向けたらイライラが消えたり(なかなかイライラが消えるまで時間がかかることもありますが)、冷静に話し合えたり、前より本当に良くなったと思っています。
その他、パセージを受けて良かったことは、子どもと過ごす時間が前より楽しくなったこと、その場しのぎでなく、目的をもって子育てをできるように頑張りたいと思うようになったこと、自分と子どもとの関わりを振り返るようになったこと、少し冷静に自分の感情に向き合えるようになったこと、子どものいいところに前より気づけるようになったこと…たくさんあります。さらに、アドラー心理学に出会えたこと、パセージ桑名の仲間に出会えたこと、学ぶことが楽しいこと、これからも学び続けられること、嬉しく思っています。

 

三重県A.T
三重県A.T

私は妻が先にパセージを受講していて、その影響もありパセージを受講しました。それまでは父子関係にそこまで困ってなかった、正確に言えば子育ては妻に任せっきりになっていました。 私は誉めて、甘やかせていた方だと思います。今から思うと、子どもが王様で私が召使い?! その為、夫婦の間に子育ての軸がありませんでした。パセージに出逢ってからは夫婦で子育ての目標に向かってブレない軸を持つことができました。 私の/あなたの行動は勇気づけになっているかと夫婦で点検しながら日々暮らしています。 パセージを受講後は子どもとの関係性だけでなく、夫婦の関係性も更に良くなりました

 ここで、パセージが現在の形へ至った歴史(パセージ自身の通り道)と、パセージが目指していくものをご紹介いたします。

アルフレッド・アドラー

 アルフレッド・アドラー(1870~1937)は、世界ではじめて、児童相談所を作った人物としても知られています。アドラーは医師としてオーストリアのウィーンで開業していましたが、1916年からは第一次世界大戦に軍医として従軍しました。

 この戦争は、アドラーにとっても非常に凄惨な体験だったようです。それまでの戦争は、主に前線で兵士だけが戦う戦争でしたが、第一次世界大戦は人類初の「総力戦」であり、国民すべてが何らかの形で戦争に参画するため、誰も彼も何らかの被害を免れない戦いだったのです。そうした戦いにオーストリアは敗れ、ウィーンの街では孤児が非行に走り、母親は子どもたちをどう扱っていいかわからず、育児は深刻な社会問題となっていました。

 アドラーは、戦争のない社会をつくらなくてはならない、人々が暴力や競い合いではなくて、話し合うことで問題を解決し、お互いに協力しあって暮らす世の中を目指すべきだ、そう考えるようになりました。そのためには、社会制度をどれだけ改革してもだめで、まずは人間自身が変わらなくてはならない、人間が自分たち自身の暮らし方を、協力的な形に変えていかねばならない、と考えたのです。 そしてそこで鍵になるのは、次の世代の生き方暮らし方に深く関わっている、育児と教育であると考え熱心に活動をはじめました。児童相談所の設立もその活動のひとつでした。

育児学習プログラム

 このように、アドラー心理学では、心理学といっても神経症などの治療にとどまらず、世の中の人々が、家庭や学校、職場や地域などで、協力しあって幸福に暮らしていくことに役立ちたい、と考えます。アドラーの弟子ルドルフ・ドライカースは、専門家だけでなく一般の人たちが、より広く日常生活でアドラー心理学を実践するよう奨励しました。ドライカースのこの勇気づけは実を結び、一般の母親たちが彼のもとでアドラー心理学を学ぶようになり、そこでは育児のテキストを用いて、親のためのグループ学習会を開催するようになりました。これを伝統として、その後もアドラーの弟子、孫弟子等の後継者たちにより、アドラー心理学に基づいた育児学習プログラムが多数開発されて、世界各地に広がっていったのです。

野田俊作

 さて、パセージを作った野田俊作は、若くしてアドラー心理学と出会い、1982年にシカゴのアルフレッド・アドラー研究所に留学し学んだ後に、育児書を出版するとともに、アドラー心理学の育児プログラムの日本への導入を試みました。しかし欧米と日本では、育児や暮らしをめぐる常識にさまざまな違いがあります。欧米のプログラムをそのまま導入したのでは、それらの違いが障壁となって、アドラー心理学本来の教育方針が伝わらない可能性がありました。そこで、野田は日本人にあわせて様々な工夫を重ねていきました。

ルドルフ・ドライカース

 たとえば、ドライカースは「Whose responsibility? 誰の責任か?」と問いかけます。しかし、ドライカースのいう「責任」とは、いわゆる日本的な意味での、いったい誰が責任をとるのか、ということではありません。「Responsibility 責任」という言葉は、語源をみれば response-ability であり、直訳すると「応答する能力」です。たとえば、学校で宿題が出たら、やるにしろやらないにしろ、子どもは教師の要請に応答しなくてはなりません。あるいは大人でも子どもでも、 体調が悪くなれば休むことにするか 、もう少しがんばるか、まず自分で考えて、状況に対処しなければなりません。そういった、日々や人生のなかで生じた課題に自分で「応答する能力=response-ability」を学んでもらおうというのが、もともとのドライカースの問いかけなのです。

日本での展開

 ところが日本では、子どもの行動や健康管理について「誰の責任か?」と問われたときに、もっぱら親の責任だと考えて子ども自身の「責任」を考えない、といった風潮や社会通念があると思います。そこで、野田はこの「誰の責任か?」という問いを、「誰の課題か?」という問いに翻案しました。そうすることで、親も子も基本的に、それぞれ個人にふりかかる困難や課題に対して、自分自身で応答して、自分自身で解決する「責任」がある、ということが理解しやすくなりました。いわゆる「課題の分離」です。これは日本の事情に合わせての、野田ならではの工夫のひとつです。

 しかし、人間は自分ひとりですべての課題を解決できるわけではありません。そもそも、人々が協力しあってともに暮らしていくことが、アドラー心理学の目標です。そのためには、他者と協力して問題を解決する方法を学ぶことが大切です。

野田は、日本の育児に合わせて、『Passage(パセージ)』の前身となる新しいプログラム「SMILE」を1984年に開発しました。野田の開発した育児プログラムでは、先に、子どもの課題と親の課題とを分ける「課題の分離」を経たうえで、分離したそれぞれの課題を、親子が協力して「共同の課題」として解決していく過程を体験的に学べるように組み立てられています。また同年にはAIJの前身となる有限会社アドラーギルドならびに日本アドラー心理学会を設立し、講座や講演活動でのアドラー心理学の普及活動を本格化するとともに、SMILEリーダーやカウンセラー、心理療法士を養成し、アドラー心理学の供給側についても整えていきました。

『Passage(パセージ)』

 『Passage(パセージ)』は、そうして長年続けられてきた育児プラグラムを、1998年から2000年にかけて、全面的に改良することで誕生しました。たとえば野田は新しい工夫のひとつとして、コースの冒頭に、アドラー心理学の子育ての軸となる理念を明確に掲げることにしました。ご紹介しますと、

  • 子育ての行動面の目標:「自立する」「社会と調和して暮らせる」
  • 子育ての心理面の目標:「私は能力がある」「人々は私の仲間だ」

というものです。

 ここでの行動面の目標とは、アドラーが提唱する理念「共同体感覚」について述べたものです。「共同体感覚」とは、親子、家族、友人同士、さらには広く世の中の人々が、苦楽をともにする仲間として、助け合い、お互いに貢献しながら暮らしていくための理念であり哲学です。 野田はこれを分かりやすく、「これはみんなにとってどういうことだろう。みんながしあわせになるために私はなにをすればよいだろう。」と考えることである、と定義しました。

 コース中は、何度もこれらの目標にもどって、私たちの子どもへの対応を確認します。親から子どもへの実際の行動とその目的が、ついうっかり、親が子どもを支配し、親の言うことを聞かせるだけの競合的なかかわりとなっていないか、親子が対等かつ平等な関係で、互いによく話し合い、ともに協力しあって問題解決する方向へ向かっているか、つまり、親子がともに「共同体感覚」の方向へ向かっているかどうかを、何度もここにもどって確認するのです。

『Passage Plus(パセージ・プラス)』

 そして、次いで2012年に開発した『Passage Plus(パセージ・プラス)』について、野田俊作は次のように述べています。

 『パセージ』は、「アドラー心理学を学びに来る」人ではなく「育児を学びに来る」人を前提にして設計されているが、『パセージ・プラス』は明確に「アドラー心理学の育児を学びに来る人」を前提にして設計されている。そこでは、エピソード分析だけでなく、アドラー心理学の理論と思想と技法について、育児の上で必要なすべての技術と知識が伝達されるようになっている。

 これでようやくアドラー心理学の育児の全貌を日本に紹介できたと思っている。後は、ひとりでも多くの人に実践していただきたいだけである。

野田俊作

 このようにして、アドラー心理学育児のエッセンスが長年多数積み重ねられて誕生したのが、『Passage(パセージ)』と『Passage Plus(パセージ・プラス)』なのです。

近日中のパセージ開催予定
近日中のパセージ・プラス開催予定
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