教育者の教育

 今年2回目のパセージ・リーダー養成コースだ。最初の30分だけいただいて、パセージ・リーダーの究極のコツについてお話をする。これは今年からはじめたので、受講者もだけれど、講師の私も初心者だ。昨年までは最初から最後まで私が講義をしていた。そうなると、導入部だからといって特別の話があったわけではない。しかし、冒頭部だけ切り出して、それで話が終りになるのなら、いちばん肝心な部分を話をしないといけない(とまあ私本人が思い込んだわけだ)。ちょっと前のブログから引用する。

☆☆☆ 引用開始

 大きな問題点は3つほどある。それを解決する原理も3つある。ひとつは、「親や子供が今まで努力してきた方向に答えはない」という原理だ。たとえば親が子供を叱ってしつけようとしているが、一向に成果があがらないとする。かといって誉めればよいというものでもない。そういう方向では答えは出ないと、最初にまず考えることにする。育児グループを学ぶということは、育児についての考え方ややり方をやめてみて、違う考え方ややり方を学ぶ決心をすることからはじまる。

 2番目は、「子供に問題があるというよりは、親が目指している育児の方向に問題がある」という原理だ。子育てのグループに出ると、ある方向に問題を分析するように「勇気づけ」られる。それは、それまで考えてきた育児の方法とは違っている。最初はみんなビックリするのだけれど、そのうち少しずつ納得してくださるようになる。8週間も、毎週毎週「あなたの考え方そのものに問題がある」という意味のことを言われ続けるTと、多くの親は育児の方針を根本的に変えることになる。

 3番目は、「子供の問題点を指摘するのが方法ではなく、子供の長所に注目することが方法だ」という原理だ。その結果、親子の対話からネガティブな単語が減ってゆき、相手を思いやるメッセージが増えてくる。『パセージ』という子育てのコースに8週間も出ると、多くの親は変容して、「勇気くじき」をやめて「勇気づけ」をしてくれるようになる。そうしてはじめて、アドラー心理学の育児を学ぶ準備ができたことになる。

☆☆☆ 引用終了

 とまあ言うわけで、30分間にわたって上記の話をして、その後1時間ほど新しいリーダー養成者の話を聴いて、帰ってきた。全員が合格されることを望んでいる。