ライフスタイル

実践の難しさ・現実との乖離について

本を読んだだけで、すぐに生き方を変えられるほど、人間の心理は単純なものですか?

ご指摘の通り読書はきっかけに過ぎず、実際のライフスタイルの変容には継続的な学習と実践が欠かせませんし、専門家の援助が必要となる場合もあります。ご指摘の通りだと思います。アドラーに関する書籍は多数出版されていますが、残念ながら読書だけで深い変...
自己決定性・ライフスタイルについて

無意識の領域や、自分ではコントロールできない衝動について、アドラー心理学はどのように説明するのですか?

フロイト的な「無意識」は主張しませんが、自覚されていない行動の目的やパターンなど、個人に意識されにくい側面があることを認めます。衝動は器質的要因でないかぎり、ライフスタイルと関連づけて理解しようとします。アドラー心理学は、フロイト的な人間行...
自己決定性・ライフスタイルについて

「人はいつでも変われる」と言いますが、長年染み付いた性格や習慣を変えることの難しさを軽視していませんか?

いいえ、ライフスタイルの全体的な変容は容易ではなく、大きな勇気と努力が必要です。「いつでも変われる」とはそのプロセスの容易さではなく、いつからでも開始できるという可能性を示すものです。アドラー心理学は、むしろ、ライフスタイルの全般的な変容が...
自己決定性・ライフスタイルについて

生まれ持った気質や才能、家庭環境といった初期条件は、ライフスタイルの形成に影響しないと本当に言えるのですか?

いいえ、影響は大きいと認められますが、それらが人生を決定づけるのではなく、個人がそれらの条件(材料)にどのような「意味づけ」を行い、どう「用いるか」によってライフスタイルは形成されると考えます。それらの影響は確かに認められます。特に、家族構...
トラウマ・原因論の否定について

自分の行動の原因が分からない場合、どうすれば「目的」を見つけ出し、変えることができるのですか?

アドラー心理学では、自覚がなくても行動には必ず「目的」があると考え、カウンセリングやエピソード分析を通じて具体的なエピソードにおける感情や行動パターンを分析し、その背景にある無意識的な信念や仮想的目標(=目的)への「気づき」を促すとともに、...
トラウマ・原因論の否定について

過去のトラウマが現在の行動や感情に影響を与えるというのは、心理学の常識ではないのですか? なぜアドラー心理学ではそれを否定するのですか?

アドラー心理学は、強い生理的ストレスが脳の生物学的変化やトラウマ記憶に影響を与え、後遺症を残す可能性を認めています。また現在のライフスタイルは過去に形成されたものであり、したがってその時点の経験が間接的に影響している点も認めます。なお、緊急...
トラウマ・原因論の否定について

アドラー心理学は「トラウマ」をどのように考えますか?

アドラー心理学は、トラウマが現在を決定するという決定論の立場をとらず、むしろその経験に本人がどのような「私的意味づけ」を与え、それを現在の「目的」のためにどう用いているかを重視し、その意味づけは見直し可能であると考えます。トラウマに関しては...
現代社会とアドラー心理学

アドラー心理学を学ぶことで、どのような変化が期待できますか?

アドラー心理学を学ぶことで、自己理解が深まり、対人関係の葛藤解決法や「勇気づけ」を学ぶことを通じて、自分の人生を主体的に切り開いてより調和のとれた充実した生き方を実現するための知恵と勇気が得られます。アドラー心理学を学ぶことで期待できる個人...
主要概念

アドラー心理学でいう「人生の課題(ライフタスク)」とは何ですか?

アドラー心理学における「人生の課題(ライフタスク)」とは、人間が社会的な存在として生きていく上で直面せざるを得ず、個人の精神的健康や生き方(ライフスタイル)と深く結びついている「仕事」「交友」「愛」という3つの対人関係の課題を指します。アド...
主要概念

「私的感覚」とは何ですか? 「ライフスタイル」とはどう関係するのでしょうか?

「私的感覚」とは、出来事に対して「良い(プラス)」「悪い(マイナス)」を瞬時に判断する個人独自の無意識的な価値判断であり、これが個々のエピソードにおける表層的な反応(私的論理)を生み出すのに対し、「ライフスタイル」は、複数のエピソードに共通...