今日もあまり用事がなくて、昼からストラヴィンスキーの『ペトルーシュカ』を聴いていた。いちおう現代音楽に入るのかな。しかし、私にとっては、完全な「古典音楽」だ。というのは、クラシック音楽を聴き始めたごく初期に夢中になって、レコードを買ってきて何度も何度も聴いたからだ。音楽を聴く脳を作り上げる時期に聴いていた音楽が、その人にとって「古典」の音になるんじゃないかな。それから60年近く音楽を聴いているが、いわゆる「クラシック」、つまり19世紀の音楽にあまり食欲が湧かなくて、20世紀の方に重みがあるのは、そういうのをたくさん聴いて育ったからだ。
ペトルーシュカは1911年に公開されている。この前後の音楽に好きなものが結構ある。たとえばマーラー(1860年~1911年)だとかバルトーク(1881年~1945年)だとかだ。これらの作曲家には、中学生時代に懇意になり、それ以後ずっとつき合ってもらっている。高校時代はおおむねそういう作曲家たちの音楽を聴き、大学に入ってからはルネサンス音楽に凝って16世紀の音楽(ただし宗教音楽ではなくて、世俗音楽)に夢中になり、大学を出てからはだんだんと20世紀の音楽に戻っていった。結論からいうと、頭の中は相当変ったレパートリーでできている。
ともあれ今日はストラヴィンスキーだし、最近聴く音楽も19世紀後半から20世紀前半に作られたものが多い。しばらくはこんな線で行くのかな。それで、あるとき突然気が向いて、ルネサンス音楽に帰るのだろう。