次の構図

 まいにち温かくなる。もっとも、夏になると暑くなり、秋になると涼しくなるんだけどね。四季によって気候の変化があるのは当然のことだと思い込んでいるけれど、非日本人にとってはそうでもないのかもしれない。ともあれ、春は温かくて嬉しい。日本人でよかった。

 天気のよい日は家から出るが、40分程度で限界に達して帰ってくる。その他の時間は、家から出ないとなにもすることがないので、窓から外を見て暮らしている。机が窓に向いていて戸外が見える。川が見えるのだが、一日中、船が通る。観光船も多いし、釣り船も多いし、荷物船も多いし、レース用のボートも多い。観光も通運も漁業も着実に機能している。

 私はなにをしているかというと、なにもしていない。「建設的」な仕事をしたいのだが、それが何なのだか、もうひとつわからない。インターネットのニュース放送を見たり、クラシック音楽を聴いたり、ニュース解説番組と取り組んだりしている。それで別に賢くなるわけでもない。ただ「時間つぶし」になっているだけのような気がする。

 「時間つぶし」をしているだけであるのだが、「無意味な」時間をすごしているわけでもない。次の時間に描くべき絵の準備をしているのだと思っている。残念なことは、その絵がどういうものだか、まだ私に想像がつかないことだ。心理学だの精神医学だのは終わってしまった。じゃあ、なんなんだろうね。