ガルチェン協会

 私が働けなくなったのでアドラー心理学も佛教も妻がすべてを演出してくれるようになった。その妻は今のところ、3月19日から22日に京都で行なわれる「阿弥陀仏法会 Amidewa Retreat」に力を入れている。ドルズィン・リンポチェは15日に来日され、22日まで京都におられ、灌頂や瞑想講座もしていただく。もちろん私も参加させていただくつもりでいる。

 阿弥陀仏は日本では浄土宗や浄土真宗の人々がとりあげて熱心に信仰しておられるが、他の宗派ではそんなに注目されない。しかしこれは日本の特殊事情で、中国でもチベットでも阿弥陀仏を他の佛と切りはなして信仰する筋合いはない。とくにチベット仏教について言うなら、阿弥陀仏とその他の佛を別々に考えることがあまりない。もうすこし狭く、私が信仰する「カギュー派」について言うなら、阿弥陀仏イコール法身佛(抽象的な唯一者としての佛)、観音菩薩イコール報身佛(人々が具体的な信仰対象とする佛)、ターラー菩薩イコール応身佛(われわれの世界に生まれてくださる佛)として信仰している。じゃあその3者は別々の人かというと、そういうわけでもなくて、時と場合によってさまざまの「あらわれ」をなさるのだと認識している。このあたりはややこしい議論があるのだけれど、そんなのは放っておいてかまわないので、「阿弥陀さまを信仰すると、同時に観音さまもターラーさまも信仰したことになるんだって」と理解してくださって、いっこうにかまわない。

 阿弥陀仏観音菩薩も日本では広く受け入れられているが、ターラー菩薩はそれほどでもない。しかしチベットではきわめて人気のある仏さまだ。珍しいのは、ターラー菩薩はただひとりの「女性」の仏さまであることだ。だから女性信者はターラー菩薩に惹かれる人が多い。男性信者だってターラー菩薩を信じてどうということはないので、信者率(なんだ、そりゃあ)はけっこう高い。われわれが企画している「阿弥陀仏法会」は、阿弥陀仏だけでなくて、観音菩薩もターラー菩薩も信仰するし、みんなで「阿弥陀仏大パーティ」を行なおうというような企画だ。

 具体的に言うと、法身佛である阿弥陀さまだけではなくて、観音さまやターラーさまにも同時にお参りをする。いわば「手びろく商い」をさせていただくわけだ。チベット仏教を修行していると言いつつ、実は阿弥陀仏法会だけしか熱心にやっていない人がけっこういるように思う。かく申す私もそのうちのひとりだ。だから、「なにかひとつチベット仏教を」と思われるなら、たしかに妻の言うように、阿弥陀仏法会は「お買い得」かもしれない。お問合せは、http://garchen.sakura.ne.jp まで。お待ちしています。l