アドラー心理学を伝える

5月17日は桑名でオープンカウンセリング、18日は一宮でアドラー心理学講演会「幸福に生きる子どもを育てる」が行われ、受講した。

オープンカウンセリングは、大竹優子先生と中井亜由美先生のカウンセリング2ケースを見学させて頂いた。しあわせでない物語を語っておられたそれぞれのクライエントさんは、カウンセリングが進むにつれ、協力的でしあわせな物語に語り直された。こちらの学習グループはしっかりとした治療共同体になっているので、会場は相互尊敬・相互信頼のある安心な場だった。見学をしていた私も目の前のタスクに対し、このように温かな眼差しで相手と向き合おうと勇気づけられた。

18日は、私たち主催のアドラー心理学講演会。地元で学習グループを立ち上げ、9年目に入った今年度、子育てに関することをテーマに講演会をAIJ様に依頼した。講演会に向け、役割分担、当日までのスケジュール、チラシ作成、広報、当日の備品準備・役割を、ひとつひとつ目標の一致を取りながら、準備した。その過程は、まさにアドラー心理学の実践の場だったと思う。私はお世話という立場に加え、年齢的にメンバーさんたちの親御さん世代なので、みんなが意見を発信しやすいよう「話を聴く」を大切にし、至らぬことがあったかもしれないけれど、みんなで平等の位置で話し合いが出来るよう心掛けた。

当初、申し込み状況が芳しくなくて、お世話役として不安になった。“不安を何の目的で使っているのか“を自問自答しつつ、共にアドラー心理学を学ぶ妹にこの話をすると、「人数は関係ないと思うよ。来てくれた人がまたほかの誰かに伝えてくれるから」と言われ、世界が変わった。以降、“みんなのために何が出来るのか”を考えることに集中した。どこまでもいってもアドラー心理学の実践だ。

講演会当日、仲間に加え近隣の学習グループの仲間も「お手伝いします」と言って、集まってくださった。開場するやいなや、受付を整える人、プロジェクターの準備を手伝う人等、分担して作業し会場はあっという間に整った。大竹優子先生のお話は、アドラー心理学が捉える「幸福」をわかりやすく伝えてくださった。受講者の多くはこれまでアドラー心理学やパセージを受講された方々で、アドラー心理学の理解が深まるお話だったと思う。終了時刻を超えるほどのたくさんの質問も出て、濃密な学びの時間になったと思う。

今回、遠方からも参加してくださる方も何人かおられた。ある方は、その昔野田先生の講演会を受講され、この講演会を見つけて受講してくださった。野田先生が伝えられたアドラー心理学は今なおその方の中に存在し、再び足を運んでくださることに感動した。終了後、その方が「また開催してください」と仰ってくださり、アドラー心理学を伝えることの尊さを感じ、今後も細く長くアドラー心理学を伝える活動を続けていこうと勇気づけられた。

最後に、お世話役として・・・、
協賛としてお世話になったAIJ様、講演会のためにたくさんの時間を費やし準備してくださった大竹優子先生、受講してくださった皆さま、受講してくださった方のご家族みなさま、学習グループの仲間の協力のもと、講演会を無事に終えることが出来ました。心から感謝申し上げます。

愛知県 E.O