改訂 野田俊作論文集

アドラー心理学を日本に根づかせた先駆者・野田俊作。その思想の原点と軌跡をたどる決定版論文集が、いま新たに蘇ります。


本書『改訂 野田俊作論文集』は、1999年刊行の旧版に大幅な再編集と精選を加え、1982年から1999年までの主要論考を体系的に収録した一冊です。留学先であるシカゴ・アルフレッド・アドラー研究所での学びを経て、日本に帰国した若き日の野田俊作が、アドラー心理学の本質をいかに受け取り、いかに伝えようとしたのか。その熱意と探究の軌跡が、時代を超えて鮮やかに立ち現れます。


本書の大きな魅力のひとつとして、理論・臨床・雑稿・巻頭言という4つの構成により、著者の思索の深化を時系列でたどれる点があります。国際学会で発表された英語論文の対訳掲載を含むなど、学術的価値の高い内容もさらに充実しています。特に「仏教とアドラー心理学」など、東洋思想との融合を試みた論考は、世界的にも貴重な知見として高く評価されています。


また、アドラー心理学の基礎を学びたい初学者にとって、本書は格好の入門書となるものです。理論の核心を丁寧に解き明かす文章は、理解を深めたい実践者にとって極めて充実した学びの連続となるでしょう。


野田俊作が一貫して伝え続けたのは、「協力」と「共同体感覚」に基づく人間の基本的な在り方といえます。その思想は、時代が変わってもなお、私たちの生き方に問いを投げかけ続けています。


本書と続編『野田俊作論文集Ⅱ』をあわせて読むことで、ひとりの研究者が生涯をかけて築き上げた思想の全体像に触れることができます。それは単なる学問の記録ではなく、次の世代へと受け継がれるべき“実践の知”でもあります。


いま、あらためて問い直す——人はどう生き、どう他者と関わるのか。 その答えへの確かな手がかりが、この一冊にあります。


 

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ご説明

<目次>

まえがき

第一章

アドラー心理学の基本前提(1)

アドラー心理学の基本前提(2)全体論

アドラー心理学の基本前提(3)対人関係論

アドラー心理学の基本前提(4)認知論

Buddhism and Individual Psychology 仏教とアドラー心理学

アドラー心理学の東洋的展開個人の存在様式をめぐって

心理学における創造性と土着性

仏教の因果論

個人の主体性

第二章

助言の方法

講義ノートから

精神科医から見た少年非行

Adrerian Group Therapy and Meditation アドラー心理学によるグループ療法と瞑想

解釈と正対の技法

論理的結末

早期回想解釈についてのノート

アドラー心理学とフロイト心理学のエピソード分析法

第三章

人間であること

子供の課題、親の課題、そして教師の課題守口市教育研究所における講演

技法選択をめぐる電子書簡より

心理療法学の科学性をめぐる電子書簡より

精神分裂病をめぐる電子書簡より

共同体感覚の諸相

カウンセリングの組み立て方

第四章

アドレリアンの使命

美しく老いる

折衷主義をめぐって

アドラーをもう一度読まなければ

アドラー心理学が身体化したカウンセラーを

陽気な人たちと熱心な人たち

21世紀の男らしさと女らしさ

守る/破る/離れる

善き友を持つ

思想・理論・技法

さくいん

あとがき

 


執筆者:野田俊作
編集者:野田文子
発行者:一般財団法人 野田俊作顕彰財団 Adler Institute Japan
編集:西舞子編集工房
印刷所:株式会社iプランニングKOHWA
装丁:函入布装金箔押糸綴角背上製本
サイズ:B5判289頁

ISBN:978-4-9912596-3-0

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