共同体感覚

その他の疑問

アドラー心理学を学ぶことで、逆に他者に対して批判的になったり、自分の考えを押し付けたりするようになる危険性はありませんか?

その可能性はあります。謙虚さや他者への関心と尊敬を欠いたまま、理論や技法を自己正当化や他者を操作する道具として用いたり、共同体感覚を全く誤解して自分の理想ばかりを他者に求め異なる価値観を認めなければ、周囲にとっては大変に押し付けがましく感じ...
その他の疑問

アドラー心理学で示される「勇気」とは、具体的にどのような行動を指すのですか? 精神的な強さのことですか?

単なる精神的な強さではなく、自分の課題に取り組み、他者と協力し、共同体感覚をもって共同体に貢献しようとする建設的な態度や行動を指します。アドラー心理学でいう「勇気」とは、自分の負うべき課題に取り組み、他者と協力しあって共同体に貢献しようとす...
その他の疑問

アドラー心理学は一種の「精神論」「自己啓発」であり、科学的な根拠に乏しいという批判についてどう考えますか?

科学的な実証研究の積み重ねという点では、現代の精神医学全般に及ばない面はあっても、膨大な臨床実践の実績と、「共同体感覚」という明確な道徳的指針を持つ「メタ心理学」としての価値は、現代においてますます高まっていると考えられます。アドラー心理学...
幸福・共同体感覚・貢献感について

自己満足的な貢献でも、アドラー心理学でいう「貢献感」として認められるのですか?

いいえ、その行動が共同体感覚に基づく、心から人々のためにと願って行った有益な行動でなければ、そもそもアドラー心理学でいう貢献には含まれません。貢献感とは主観的な感覚ですが、そうした満足感さえ得られればそれで良いわけではありません。行動が真に...
幸福・共同体感覚・貢献感について

個人の行動は、自分が直接所属する家族や友人関係などの共同体に有益であれば、それでいいのでしょうか。

身近な共同体だけでなく、より大きな共同体からも目をそらさずに、そうした「みんな」にとってどういうことかを、広く多角的な視点で捉えることが求められます。私たちは家族や友人関係だけでなく、地域、学校、職場といった様々なスケールの共同体に同時に所...
幸福・共同体感覚・貢献感について

共同体感覚を持つべき「共同体」とは、具体的にどの範囲を指すのですか? 家族、地域、国家、それとも全人類ですか?

私たちが直接所属できる共同体は、家族などの身近な場から地域社会程度のスケールに限られますが、そこから繋がり広がっていく多様な共同体によって世界が網羅されていくという視点に立てば、共同体感覚を持つべき「共同体」は全人類へと拡がります。アドラー...
承認欲求の否定について

承認欲求が満たされないことで自己肯定感が下がったり、無気力になったりすることは考慮しないのですか?

承認が行動の唯一の目標であれば、それが得られない時に自己肯定感が低下したり無気力になったりする可能性は高いと考えられますが、アドラー心理学は自己肯定感そのものを最上の価値だとみなしません。人々から承認されないことで自己肯定感が下がったり、無...
こじれたコミュニケーションの5つの段階

「不適切な行動に注目せず、適切な行動に注目する」とは、どのようなことですか?

「不適切な行動に注目せず、適切な行動に注目する」とは、不適切な行動には怒りや不安といった感情で対応せず冷静に話し合い、適切な行動には単に褒めるのではなくその背景にある人としての望ましい成長の芽生えに注目して心から喜び、その喜びを分かち合う「...
主要概念

アドラー心理学における「勇気づけ」とは、具体的にどのような関わり方ですか? 褒めることとの違いは何ですか?

アドラー心理学の「勇気づけ」とは、単なる「褒め言葉」のような小手先のテクニックではなく、尊敬に基づいた対等な「横の関係」から、相手が共同体感覚を持って協力的に生きられるよう働きかける、包括的な哲学であり生き方そのものです。「勇気づけ」とは、...
主要概念

「私的論理」と「共通感覚」の違いは何ですか?

「私的論理」が個人の独自の価値観(私的感覚)に基づく主観的な思考の 流れ であるのに対し、「共通感覚」は社会や共同体で共有される、いわゆる常識という 価値観(私的感覚と対応するもの)を指します。「私的論理」とは、個人が独自の価値観、思い込み...