新しい時代

 モーツァルト『クラリネット五重奏曲』を聴いている。ベーラ・コヴァーチュがクラリネットで、タートライ四重奏団が合奏だ。そんなに主張のある音楽ではないので、ぼんやりと聴いておれる。若いころはそれでは物足りなくて、もうすこし主張をしてほしかった。いまはもう主張はいいわ。ある時間をモーツァルトと一緒に暮らせればそれでいい。

 しかし、モーツァルトは35歳で亡くなったんだよね。ずいぶん忙しい生き方をしたものだ。もうすこしゆったりと生きて、さまざまの作品を残してほしかった。まあ、現実はそうでなかったのだから、あきらめるしかないのだが。

 モーツァルトだけでなくて、若死にした天才のことを思い出すと、もうすこし長生きして創作を続けてくれればよかったのにと、つい思ってしまう。しかし、一方で天分が尽き果ててからも生き残る天才がいるわけで、それで釣り合いがとれているということなんだろう。

 それはそれとして、新元号の発布によって新しい時代が始まる。「令和」という元号が使われるようになるのは5月1日からだが、実際には今日決まったも同じことだ。カレンダーに「令和」って書き込もうかな。