野田俊作ライブラリ「生きる意味」

AIJエンカレッジ金沢では、ライブラリ勉強会を始めてもう3年以上経ちました。月に一度、ライブラリ参加者で決めた野田俊作ライブラリを聴き、感想や意見を資料にまとめて持ち寄り、シェアリングをするという勉強会です。今月は野田俊作ライブラリ「生きる意味@大阪」を聴き、勉強会を行いました。

生きる意味というライブラリは、「これはみんなにとってどういうことだろう。みんなのために私はなにをすればいいだろう。」と考えて、「生命や財産や自由を犠牲にしてでも守るべき価値とは何か」について考えるというお話でした。

私はちょうど沖縄の修学旅行の引率中で、移動中の時間にこのライブラリを繰り返し聴いていました。美ら海水族館へ行ったり、マリン体験をしたり、国際通りを散策したり…と、「楽しい沖縄」を思い切り満喫しました。

「修学」旅行なので、平和記念公園やひめゆりの塔も訪れました。ひめゆりの塔の資料館では、映像ではありますが、実際にひめゆり学徒隊だった方のお話を聞くことができました。生徒達も全員真剣に話を聞いていました。志高くこれからの日本の国のこと、教育のことを考えていた教師と生徒が、生存ギリギリの状態で献身的に国のために生きていたこと。戦況が悪くなり、学徒隊を解散することになっても誰一人として自分のために逃げ出さなかったこと。それなのに悲惨な状況で多くの若い命が終えることになってしまったこと。知識として大体知ってはいたものの、まさにその場で起きたあり得ない惨状に理屈抜きで衝撃を受けました。その後、あまりにも悲惨な事実に気が遠くなるような不思議な思いで、資料館を見学しました。

私達は78年前に悲惨な戦争が起こっていたまさにその地を訪れました。一見何もなかったかのように住宅が建てられ、人々は暮らしています。ひめゆりの塔のすぐそばにはお土産屋さんがあり、観光客でにぎわっていました。すぐそばの食堂で団体客として食事をしていた私達は、「好きじゃない、食べられない、次の行く先で食べたいものがある…」と、与えられた食事を残します。沖縄戦の激戦が繰り広げられた場所でいつまでも神妙な気持ちで生活する必要はないと思いますが、生きた時代や場所が違うだけで、この違いは一体何だろうと思いました。

「これはみんなにとってどういうことだろう。みんなのために私はなにをすればいいだろう。」と考えることを大切にするよう日々修行中なのですが…。

今回のライブラリの中で、「みんなは今のみんなではない。みんなは未来のみんな、過去のみんな。」とありました。頭で意味は理解しても、実際に自分はどう生かしていけばいいのだろうと、今は、ぶら下げて暮らしています。

みんなのために生き抜いたひめゆり学徒隊の命は、時代を超えてどのように現在の私とつながっているのか。私たちの未来とどうつながっていくのか。現代の私たちは、今回のライブラリの問いかけである「生命や財産や自由を犠牲にしてでも守るべき価値」をどれくらい分かっているのか。

今、世界では戦争や争いごとが起こり、新たに戦争が起きる兆しもあります。

人はもう少し賢くならなければならないと思います。

もう少し人間として「成長」しなければならないと思います。

私は野田先生から沢山の教えを学びました。ライブラリを聴いて教えの背景が分かることで、本当の価値が少しずつ分かってきたような気がしています。これからもしっかりと学んでいきたいと思います。

(石川 AIJエンカレッジ金沢 M.I)