大好きなまるとのお別れ

 今日は大好きな「まる」のことを書きます。アドラー心理学のお話ではないかもしれないけれど、今の気持ちをどうしても残しておきたくて、まるのことを書きます。

 まるは我が家に9年前に家族として迎え入れた芝犬です。先日令和5年5月15日に腎臓の病気で家族とさよならをしました。私と主人の結婚○周年。記念のアクセサリーもいらないし、旅行も行かなくてもいいから、犬を飼いたい!と私が主人に懇願した犬です。

 家族になったその日から、子どもたち3人も主人もまるのことが大好きになりました。やんちゃ坊主で、いたずらっ子で、いつもとんでもないことをやらかす手のかかるまるでしたが、くるくる瞳の甘えん坊ちゃんで、とにかく元気でお散歩大好きなまるは、家族の人気者でした。

 この9年間、まるを家族の仲間として生活していくために家族会議をしながらルールを決め、みんなで協力して過ごしてきました。朝の散歩当番、ご飯を買いに行く人、掃除する人・・・。子どもたちにも積極的に参加してもらいました。

 夕方は私と娘の散歩当番。都合が合うどちらかが散歩に行くという決めごとでしたが、イレギュラーなことがない限り、二人で行くことが当たり前でした。仕事から疲れて帰ってきて、小一時間の散歩は少々しんどい時もありますが、可愛いまると娘と一緒に川沿いを歩いたり、変化する季節の移ろいを感じながら歩く小一時間は、それはそれはいい時間でした。仕事であった楽しかったこと、仕事上の相談事、旦那の愚痴や年の離れた弟の成長のこと、昔話に、今後のわくわくする予定・・・。おしゃべりしたり、しりとりをしたり、大きな声でハモりながら歌を歌ったり・・・。

そんな愉快な私と娘のやり取りを、まるはきっと心地よく感じていたに違いありません。

 ずっと腎臓が悪かったまるですが、狂犬病の注射を打った直後から薬の副作用があったのか、体調が急変しました。ご飯を食べなくなり、水も寝ながら飲むようになり、家族みんなで交代で看病しました。抱っこして散歩に連れていき、二日に一度、点滴に連れていき、医師からは「もう先は長くないし、延命するだけの点滴であまり意味がない。」と言われましたが、家族みんな一日でも長く生きてほしいと、目標が一致していましたので、選んだ方法は「点滴に通う」でした。

ご飯を食べなくなった10日目の朝、4時半。最後の力を振り絞ったような大きな声で鳴いたまる。飛び起きた私は、まるの体を撫でました。撫でるのをやめるとまるは、私たち家族の体を思い切り片足でお手のポーズで触ってくる癖があります。それは、もっとして!のサインでした。私が撫でるのをやめると、前足を大きく上げる力はないものの、眠ったまま足を動かすのです。「ずっと撫でてほしいのだ。」そう思った私は、子どもたちを起こしました。そして交替でまるの体を撫でました。こうしてまるは、子どもたちに撫でてもらいながら、静かに息を引きとりました。自分の最期をわかっていたまる。自分で家族にサインを出し、家族に見守られてお別れすることができました。

 たくさんたくさん泣いて、もちろん今も寂しくてまるのことを思うと、胸が締め付けられられます。でも家族みんな、まるからたくさんの幸せな気持ちをもらいました。まるのことを通して、家族でたくさん話し合ったり、協力したりすることもできました。仲間の存在の大きさ、命の尊さを学び、家族の絆も深まりました。これからもきっとまるの存在を忘れることなく、家族の心の中に共通の愛おしい存在として刻まれ続けていくと思います。

 まる、うちに来てくれてありがとう。大好きだよ!!

(石川 AIJエンカレッジ金沢 Y.H)