すき焼き

 ドヴォルザークの話をしたら、昨夜、ドヴォルザークの音楽の夢を見た。交響曲8番だが、「なつかしい」旋律でいっぱいの音楽だ。昨日も書いたのだが、19世紀後半の音楽は、われわれ好事家にとってきわめて好もしい旋律やリズムに満ちている。

 そういう音楽をたっぷり聞いて、そこから現代の社会を見ると、すっかり調子が狂っているように思える。19世紀の社会は、たとえ戦争をしても、根本のところでは狂っていなかった。20世紀になって、特に第一次世界大戦以後になって、なにもかもが狂ってしまった。しかも、第二次大戦後に、アジア諸国やイスラム諸国が参入したので、「統一した文法」がなくなってしまった気がする。まあ、私の主観にすぎないんだし、文句を言ったところでどうなるものでもないんだけど。

 ここ何十年かはこんな調子で暮らすのだと思う。もっともそれは多数派の話で、少数派はそういう中でもむかしながらの生き方を続けて行くんじゃないか。実際、日本に住んでいるとそうなんだと思うできごとが多い。(つまり、自分のことを少数派ないし保守派だと思い込んでいるわけだ)。ヨーロッパでもアメリカでも、そういう意味での「少数派」なり「保守派」なりはいまもいると思う。もっとも、表に出ると目立った行動をして目立つので、みんな自粛して、外向きにはおとなしくしているのかな。

 私などは保守派なので、心に思うことを素直に行動に出すと、社会的に不適応に陥ることを知っている。だからおとなしく暮らすが、心の中ではいつか「本気」を出せることがあればいいなと思っている。おことわりしておきますが、「過激派」になるわけじゃないですよ。ただ「少数派」なり「保守派」でも許してもらえる場面ではそのようにふるまうかもしれないということだ。

 それはそれとして、夜は牛肉のすき焼きにした。むかしはよく食べたので作り方は覚えているんだが、ファースト・チョイスでは思い出さないんだよね。