アドラー心理学の理想は理解できても、感情的な反応(怒り、悲しみ、嫉妬など)を目的論で割り切るのは非常に難しくありませんか?

Category: 実践の難しさ・現実との乖離について

目的論は感情を「割り切る」ものではなく、アドラー心理学の実践では、その感情が対人関係で持つ「目的」を理解し、抑圧や発散とは異なる建設的な表現方法を学ぶことを目指します。

感情というものが、何らかの原因で勝手に生じて、「割り切る」などしないかぎり抑えられないという捉え方は、目的論ではなく原因論にあたります。また、個人の中で感情と理性が対立し続けるかのような捉え方は、全体論ではなく要素論といえます。つまりいずれも、アドラー心理学とはいえません。目的論は「割り切る」ものではないのです。怒りや悲しみ、嫉妬などの陰性感情にしても、いわゆる理性にしても、アドラー心理学ではそれらが互いに深く関連し合いながら、全体として何らかの目的に向かっている、と考えます。

したがって、アドラー心理学の実践においては、陰性感情をも含む自分自身の気持ちや考え、そして実際の振るまいが、対人関係の中でいったい何を「目的」としているかを深く理解して、その建設的な表現方法を学んでいきます。それらを抑圧するのでもなく、かといってやみくもに発散するのでもなく、そこで自分が伝えようとしているメッセージが何であるかを理解して、それを感情的ではない方法で相手に伝えるにはどうすれば良いかを学び、これからの相手との関係に役立てるのです。

そうした実践はもちろんたやすいものではなく、くりかえしの練習が必要ですし、自分ひとりで取り組むのは難しくもあります。そこで、講座での実践的な学習や、学ぶ仲間が沢山いるアドラー心理学の自助会などが有用となるのです。

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