人さまざま

 今日は妻の息子が来た。すでに結婚していてすてきな奥さまがおられるが、今回は風邪をめされておいでになれない。娘や息子については、普段の暮らしをそれなりに知っているし、風邪をひいておいでになれないからといってなにも不安はない。息子夫婦の関係についても不安はない。子供はまだできていないので、そっちの話題もない。まあ、なにはともあれ安定状態だ。(余談だが、「子ども」と書くのはやめて「子供」と書くことにした。それなりに理屈はあるのだけれど、省略する)。

 私が60歳になったとき、今の妻と再婚した。つき合いはもうすこし前からあったけれど、籍を入れたのはその歳になってからだ。なにしろ熟年になってからの結婚だし、初婚ではないし、それ以後そう珍しいことも起こらない。まあ、ありふれた初老夫婦で話ははじまって、ありふれた話のままいまや老夫婦になりかかっている。初婚でうまく耐えきってこの年まで無事にやりとげれば、誰だってうまくいくんじゃないかと思う。要は、初婚の後の動乱期をどう乗り切るかだが、それはもはや私の課題ではない。