右方偏向

 『虎ノ門ニュース』というインターネット番組を毎日見ている。『虎ノ門ニュース』の定期視聴者になる前は『チャンネル桜』という別の番組を見ていたが、あるときそちらをやめて『虎ノ門ニュース』に乗り換えた。発病する以前の記憶がどうもあいまいなので、正確な日にちがはっきりしないが、1年以上前のことだ。『虎ノ門ニュース』をいまは毎日、朝の8時から10時まで見ている。ただし土曜と日曜は休みなので、「テレビなしデー」にしている。そのうち、ここに飽きたら、また違う放送局を探すことになるのだろう。

 『虎ノ門ニュース』のアナウンサーというのかコメンテーターというのかは、40歳代か50歳代の人が多い。1人ないし2人が週に1日ないし2週に1日を受けもって、あれこれ世間の話題についてコメントする。話題の中心は日本をめぐる国際関係が多くて、新聞の国際面(ただし右傾化傾向が強い)みたいな感じだ。

 私の世間感覚は、現在はほとんど『虎ノ門ニュース』由来なので、ひどく偏っている。それは知っているのだが、この偏りから抜け出そうとすると別の偏りに頼るしか方法がない。その「別の偏り」は、私が知っている範囲では、『虎ノ門ニュース』よりもいっそう偏りがひどい。そういうわけで、いまは『虎ノ門ニュース』に頼って偏るしか方法がない。

 最近の偏りは、韓国の左方(?)偏向かな。昨年12月22日に、たまたま海上を巡回中の自衛隊の哨戒機が、日本の領海内で、韓国海軍の軍艦が北朝鮮籍と思われる漁船(あるいは軍艦)を援助しているのを見かけ、接近したところ、韓国軍艦が自衛隊機に対していきなりレーダー照射をした。その後やりとりがあって、韓国側は次々と不可解な言いがかりをつけてきた。日本国はウンザリしてしまい、やりとりを打ち切ることにした。しかし韓国は、今日の時点でもまだイチャモンをつけ続けているようだ。

 この事件のやり取りを分析すると、過去100年くらいの日韓関係のトラブルと同じ形をしていると、『虎ノ門ニュース』のコメンテーターたちは言う。はあ、そうなんだ。韓国と親密につきあうことにメリットがあるとは思わないので、この際、手を切ってしまってもいいんじゃないかなと思ったりする。いやいや、調子のいいことを言っているけれど、『虎ノ門ニュース』の右派コメンテーターたちにあおられているだけのことかもしれない。ともあれ私は、世間の人々よりはうんと過激に、今回の事件に反応している。