ハトちゃんの巣立ち
うちには三人の娘がいます。長女は大学生、次女は予備校生、三女は高校一年生です。小さい頃からよく喧嘩もしていたけど、とても仲が良く、年齢が上がるごとにますます仲良く、なっているように感じています。遠慮なく意見を言いあい、時には激しくダメ出し合いもするけれど、お互いを大切に思いあっているのが節々に伝わってきて、母としてはそのたびに密かに感動しています。
長女の愛が溢れすぎた?行動の一つとして、向う見ずに前向き過ぎる三女に「(三女は)本当にハトやな!(単純で、一歩歩いたらその直前のことを忘れるの意)ハト過ぎやろ!」と言います。長女が三女に勉強を教えている時も、三女が考えている様子を見て、「ハト顔せんといて!」とツッコミます。(ハト顔=顔を傾けて「?」が頭の上に飛んでいる顔)そんな姉妹のやり取りから親しみを込めて「ハトちゃん」という愛称が生まれ、時にはネタとして三女を「ハトちゃん」と呼んでいます。そんなハトちゃんに関するエピソードです。
三女には友達が沢山いるのですが、小学校時代から、とてもとても仲の良い6人組の友達がいます。高校受験で他の5人は同じ高校を受験し、三女は、出願当日まで迷いに迷ったあげく、合格可能性の高い別の高校に出願することにしました。(三女の友達5人のうち、2人は余裕で合格の予定でしたが、2人は、当たって砕けろの精神でチャレンジ受験をしたと三女から聞いていました。)
高校の合格発表の日のことです。三女が正午の合格発表で無事合格したことが分かり、その夜は家族みんなで早く帰って、合格のお祝いをしようということになりました。私は合格した安心感もあり、なんだかほっとした気持ちで仕事をしていました。あと1時間位で帰ろうとしていた頃に三女からLINEがありました。
(以下LINEでのやり取り)
三女:みんな(友達5人)受かった(笑)
私:Aちゃんも?Bちゃんも?
三女:うん。
私:(LINEをやめて、電話をかける)ホントか~。そ~か~。そ~なんや~。○○(娘の名前)も出願してたら一緒に合格しとったかもしれんな~と思って。はぁ~、そうなんや~。
三女:なに?ダメなん?友達みんな受かって嬉しいと思ってLINEしただけやよ。
私:・・・。分かったよ。お祝いの会するし早めに帰るね。と言って電話を切る。
という出来事がありました。私は、「それなら娘も受験したら同じ高校に合格できたのではないか。超仲良しと5対1に分かれてしまって、5人はさらに友情が深まり、娘だけ疎遠になっていくのではないか…こんな別れ方ある?出願間違ったかな?」など、せっかくの合格発表の日に、どうにもならないことを、クヨクヨと諦め悪く考えていました。
家に帰ってからも完全に切り替えることが出来ず、陰性感情(-2 不安、後悔)を持ったまま三女に話しかけてしまいました。
私:○○(娘の名前)大丈夫か?
娘:○○(娘の名前)が、行きたいと思って△△高校を受けたんやから1人でも大丈夫やよ。
娘の最強のパーソナルストレンクス「前向き」全開でした。「その前向きさ、ハト過ぎる…。」と、親らしからぬことを考えながら、表面的には切り替えて、お祝いの会をしました。
あの日から2か月半が経ちました。入学式の初日から、新しい友達を作り、楽しみにしていた部活動にも入りました。毎日クタクタになって帰宅した後も、半分寝ながら課題をし、予習や復習に励む日々が続いています。パセージ・プラス24-Ⅼでは、「中学校を卒業すると、「しつけ」としての育児は終わったと思う方がいいと思います。それからは共同生活をする大人として接するようにする方が、トラブルが起こらないでしょう。もちろん、大人としての責任を子供に取ってもらいましょう。」とあります。今回の出来事はどちらが子供か分からないような出来事でしたが、三女は私の心配をよそに、立派に高校生としての生活をスタートさせています。アドラー心理学を学んでいながらも、いざ自分の子供となると、おせっかいで、勝手な心配は絶えませんが、今回の娘の姿を見て、娘を信頼し、改めて大人として付き合っていきたいと思いました。一見深いことを考えていなさそうに見える三女ですが、自分の選択に責任を持ち、力強く歩んでいる大人に成長していました。
「THE子育て」が終わってしまい、アドラー心理学で学んだことをしっかりと実践出来たのかと言われると、自信はありません。それでも、結果として娘たちが仲良く協力し合い、それぞれが前向きに頑張っている姿を見られる今、アドラー心理学と共に子育てができて本当に良かったな、と感じています。
最後におまけでハトネタを。
我が家の庭の木には、昨年から本物のハトの巣があります。ハトちゃんネタで盛り上がり始めた昨年の暑い暑い夏に巣を作ってから、秋にも、冬にも、厳しい自然環境の中、ヒナ達が立派に巣立っていっています。現在もお母さんのハトが卵を温め中です。(三女は特に熱心に見守りよく観察しています。)あと数日でまたヒナが生まれそうです。どちらのハトちゃんも頑張れ!
(AIJエンカレッジ金沢 石川県 M.I)
