リハビリ計画

 昨年の今日、入院した。それまでも前駆症状があったが、正体がよくわからなかった。それで、近所の市民病院へ行ったり、後輩が開業しているクリニックへ行ったり、知り合いの医者がやっている漢方医院へ行ったりしていた。結局、漢方医院が知り合いの医者に頼んでMRI写真を撮り、頭蓋内部に脳腫瘍が見つかった。その日に大病院へ行き、そのまま入院になった。入院後しばらくは、意識はあったが、記憶がはっきりしない。取り乱していたこともあったし、次々と新しい検査結果や情報が入ってくるので混乱していたこともあったし、軽いパニック状態にあったんだろうね。

 だんだん意識が戻ってきて、次のようなことを考えるようになった。1)寿命は限られていて、今回の入院中に終わるかもしれず、仮に退院できても有限の期間内で終わること、2)これまでのように自由に本を読んだり資料をあさったりできないこと、3)老後の仕事がもし可能なら準備すべきこと。

 1番目と2番目は1年の間にほぼ解決し、目下の課題は3番目だ。死ぬ日までなにか仕事をして暮らしたいのだが、まだもうひとつ固まったアイデアがない。もっとも、なにも仕事をしていないわけではなくて、病気以前の仕事の続きをいくらか受け継いでいる。大きな仕事ではなくて、まあ残務処理みたいなものだ。こういうのでなくて、もうすこしクリエィティブな仕事ができないかなと思っているが、ピタッとはまる仕事がまだ見つからない。まあ、こうして探しているうちに一生が終わるのであっても、それはそれでいいんだが。