書き始め

 昨年の2月7日に最後の記事を書いて、2月20日に入院した。それ以後、日記を書くだけの気力も体力もなくなって、ほぼ1年間仮眠していた。それから1年が経ってしまった。その間に回復すべきところは回復した。今以上に回復できるかどうかはわからないが、ともあれ小康状態だ。

 現在の日常生活は、家庭内での生活はまずOKだが、外出は数百メートルが限度だ。歩くのは歩けるけれど、すぐに疲れが来る。これから先については、まあこれくらいの状態で死ぬまで続くのではないかと思っている。仕事はしていない。勉強も限られた範囲のことしかしていない。過去のことは思い返しても意味がないし、先のことは思いわずらってもしょうがない。ただただ現在を生きて行くしかしょうがない。そう思い定めている。けれども、とにかく日記だけは書こう。その程度までは気力が回復してきていると思う。

 病気になった最初のころに、「ああ、これで将来の夢を考える必要はなくなった」と思った。感情はついていなくて、ただそう考えただけだ。つまり、絶望したわけでもないし、かといって希望を持ったわけでもない。それから今日にいたるまで、明日以降のことは考えない。「考えないようにしている」というようなことではなくて。ただ考えない。自然にイメージが湧き起こることもない。夢も見ないし、妄念もない。

 このまま死ぬまでやっていくという方法もあるのだけれど、もうちょっとなにか書き残しておいた方がいいような気もしないでもない。それで、なにはともあれ書いてみることにした。すばらしいアイデアが出るとも思っていないし、これまでに思いつかなかったようなビジョンが見えるとも思っていない。なにもしないで毎日をすごすのも悪くはないが、毎日やっていることをなんとなく書く中で、考えが自然に見えるのも悪くはないかと思う。