葛藤解決

現在、自宅をリフォーム中のため、夫と共に私の実家で暮らしています。

インターネットはレンタルでwifiルーターを借りて、母のスマホもこのwifiを設定しています。
ある時、母から「スマホのwifiのマークが点いてないから、見てくれる?」と頼まれたので、
私は母のスマホを預かり、設定画面から接続し直そうと思いました。すると近くにいた夫が・・・

夫:「電源切ってやり直した方がいいって」と言ってルーターの電源をいきなり切る。
〈感情の点数を+5から-5の間で表わすと(以下略):−3〉《感情の名前(以下略):驚き》
私:「勝手にやらないでよ!今、設定やり直していたのに・・・」
夫:「そんなん電源切った方が早いって」〈−4〉《怒り》
私:「頼んでないことを勝手にやるから嫌なの」
夫:「わからんくせにやろうとしているから」〈−5〉《怒り》
私:「私が言っているのは、私に確認してからやってほしいということ。いつも言ってるでしょ」
夫:「わからんことやっているのはおかしい」〈−5〉《怒り》
私:「私の話聞いてる?そんなこと言ってないでしょ」
夫:「じゃぁ、もう今度から一切やりません」〈−5〉《怒り》
私:「いいですよ。私も何もやりませんので」
夫:「はいはい、わかりました。なんでも自分でやってください」〈−5〉《怒り》
私:「いいよ。もう何もしませんから。もう家ができてもここ(実家)にいますから」

この時、私は葛藤になっていることを自覚していても止められませんでしたが、もうこれ以上『権力争い』を続けてはいけない、と思いその場を離れました。
その後、しばらくはお互いに口もきかずにいたのですが、翌日には自然に会話が始まり、
普段の関係に戻りました。

書き記すと、穴があったら入りたいぐらいの『葛藤』『ピンポンゲーム』のエピソードです。

先日、特殊講座『葛藤解決』を受講した際、ワークでこの事例を扱ってもらいました。
ワークの手順のなかの『相手の台本』のところで、夫の立場になってこのエピソードを考えた時点で、”私が”主人の話を聴かずに、一方的に怒っていることがわかりました。その後、グループの皆さんと共にエピソードを振り返りました。

<主人の良い意図・ストレンクス>

・悪気はない ・一番良い方法をやろうとした ・色々なことを良く知っている
・行動力がある ・言わずに行動で示している

<はじめの課題は?>
 母のスマホの設定を直す

<葛藤から抜け出す方法>
 〇夫がルーターの電源を抜いた場面の私の意見
 ・主人が「勝手に(『目標の一致』を取らずに)」wifiルーターの電源を抜いた。

 〇『平等の位置』に立って考えた意見
 ・得意分野なので、自分の出番だと思って一番効率の良い方法を直ぐに行動した。
  (後に分かったのは、電源を切って再起動させると直ぐに復帰するという考えがあったようです。)
 ・私と母の仲間に入りたい

<代替案>
 ・得意分野は夫に任せる
 ・どうしてそのようにしたのか話を聴き、夫の考えを理解する

手順に従って仲間と一緒に考えることで、『平等の位置』に立って、私が出来る代替案を見つけることが出来ました。

その日、帰宅すると直ぐに学びを実践する場面に遭遇しました。
夕飯は雪見鍋を作る予定で、母と夫に作り方を伝えて任せて出かけました。帰宅するとお鍋がほぼ出来上がっていたのですが、私が頼んだレシピの出来上がりよりも随分水分が多いのです。

私:「このお鍋、なんか水分多くない?」
母:「あのね、〇〇〇〇(夫)さんが、だし汁500㏄入れると良いって言ったの」

  (私の心の声)来た来た!ここは要注意だわ・・・

私:「お父さん、なんでだし汁500㏄入れたの?」
夫:「ネットで調べたら、だし汁500㏄入れると美味しいって書いてあった」
私:「そうなんだね。調べてくれたんだね。ありがとうね」

というように、『平等の位置』で穏やかに話を聴くことが出来ました。
夕飯を母と主人に任せたので、どのように調理するのかは母と主人が”決める人”です。自分の意見を伝える前に、相手の話をよく聴き理解することの大切さを、痛感しました。食べたお鍋も水分も程よくとても美味しかったです。夫はいつも良い意図で一番良い方法を考え行動してくれて、母とも協力し合ってくれていることもありがたいです。

その後もひとり考え、さらに気づきがありました。
以前、心理劇ワークショップ『かささぎ座』で私の事例を扱っていただいたことがあります。
その時の学びは、私たち夫婦は、“料理”と“家庭菜園”は私の得意分野なので、私が「ボス」で夫が「従う人」という『横の関係』が成り立つということ。そう考えると、PC等の“技術的な分野”は得意な夫が「ボス」で私が「従う人」という立場でいることが『横の関係』になります。つまり、夫の得意分野は知識のない私がつべこべ言わず、夫に任せることが協力なのです。主人とのやりとりで繰り返されていたことが整理され、とても腑に落ちたので、様々な場面で実践したいと思います。

愛知県 E.O