小学生にパセージ実践

子育てが一段落してパセージを実践する場を探してみました。

私が我が子の子育て真っ最中の時より少しばかり理解が深まり

実践できるのではないかと考えたからです。

探してみると、小学生が集まる所に関わる事ができるようになりました。

初日、40人の子ども達が所狭しと室内で遊び始めました。

元気の塊です。わくわくが止まりません。

早速、1年生の男の子A君と2年生の男の子3人組みが1つの机で遊び始めました。

長机の3分の2をA君が使いドミノとマスコットを組み合わせて遊んでいました。

残りの3分の1で2年生3人組が同じおもちゃで遊び始めました。

遊び方は違うようで一緒には遊んでいません。

2年生の男の子達は「狭いよー!もう少しそっち行ってよ!」

1年生のA君は「嫌だよ!僕が使ってたんだからーー!!」

2年生「そんなこと言ったって空いてるだろー!」

1年生「空いてないよーー!うるさいなー」

2年生「そっち行けよー」

1年生「俺が使ってるドミノとるなよーー!」

2年生「いっぱいあるじゃないかーー」

どんどん声が大きくなり他の先生が来て

「声が大きい!静かにしないと他のみんなに迷惑がかかります。」と指導します。

一瞬静かになりますが、先生がいなくなるとまた同じような言い合いが続きます。

パセージのテキストに書いてある通りだ!

この時、私がしていた事は、2年生の3人と1年生のA君の適切な側面探しです。

2年生の子達は言葉で伝えてみたり、行動で伝えてみたりと根気強く意見の違う相手と関わる力があるんだな~とホレボレしていました。

1年生のA君は3人相手に一歩も引かず意志を貫く強いメンタルだな~とホレボレしていました。

大声で言い合っている最中、女の子が涙目で

「先生…私もあのマスコットで遊びたいんだけど…怖い…」と。

私 「そっかぁ~先生どうしたらいい?」

女の子「…。」

私 「一緒にいるとか?代わりに貸してって言うとか?何かお手伝いする?」

女の子「一緒にいて」

私 「もちろん」

相談できたので怒っている1年生のA君のところへ。

女の子は頑張って『これで遊びたいの。貸して』と言いました。

A君は快く貸してくれました。

A君は場面によって感情を使って対応しているのを目の当たりにしました。

2年生には怒るけど女の子が落ち着いてお願いしている事には切り替えて答えているA君にまたホレボレ。 ありがとうと言われていました。

切り替え上手なA君はまた戦いの場へ・・・

A君…とうとう「先生―――!」と私のところへ来ました。

私「どうした?」

A君「○○君たちが僕が遊んでたのに意地悪していじめてくる!!」と言いながら涙をポロポロ流しました。

私「A君はいじめられたと思ったのかな…教えてくれてありがとう。そっか~。先生に何かお手伝いできることあるかな?」

A君「いじめないでって言ってー」

私「なるほど~それはもしかしたらお互い気持ち良く遊びたいってことかな?A君はどうなったら○○君たちと気持ち良く遊べるのかな~?」

と聴いてみました。

A君はしばらく黙って考えているようでした。

私の前からスッといなくなり2年生の男の子達にドミノやマスコットをいくつか渡していました。その後4人は意気投合して遊んでいました。

勇気あるお子さんですね。自らの行動を変え、現状を改善しようとするお姿が神々しい。

素敵な場面に立ち合えて幸せでした。

子どもの考える力、行動する力、等々どんどん見つけて、どうやって使っていくか相談できてパセージ実践体験がいっぱいできそうで楽しみです。

                                       神奈川県 S.T